◆人口ピラミッドと働き方

前回は家族環境の介護の観点から働き方を変える必要があることを示した。今回は人口という社会環境の変化から考えたみたいと思う。現在の人口ピラミッドは、団塊の世代で大きく膨らみ、一度縮んだ後に団塊ジュニア世代でまた膨らむという「ひょうたん型」になっている。

人口ピラミッド_2015


団塊の世代を含む層を「シニア」、一度縮む層を「ニューシニア」、団塊ジュニアを含むもう一度膨らむ層を「ネクストシニア」と呼ぶことにする。シニア層は今までのルールで人生設計をしてきた人たち、ニューシニア層は今まさにルールが変わろうとしている人たち、ネクストシニア層はこれからルールを作ろうとする人たちである。ここでいうルールとは年齢に関わる年金のルールであったり、働き方のルールなどである。

◆ニューシニアは板挟み

ニューシニア層は板挟み状態ではあるが、この世代がシニア層とネクストシニア層の懸け橋にならなければならない。シニア層はすでに定年を迎え年金を生活設計に加えいている層である。ニューシニア層は定年が延び継続的に働いており、年金の需給は遅くなり減額になりつつあるという移行期である。ネクストシニア層は定年という働く限界は自分で決め、年金も自分で用意を始めるという世代である。

日本の人口と世帯 《2015年の人口ピラミッド》(GDFreak)

このサイトによれば、高齢者と生産年齢人口(15~64歳)の比率は高齢者1人に対して生産年齢人口は次のようになる。

2000年(3.9人)>2005年(3.2人)>2010年(2.8人)> 
2015年(2.3人)>2020年(2.0人)>>>2040年(1.5人)
 
このような実態を考えれば「少子高齢化」という問題よりも、ニューシニア層では「少死高齢化」という超高齢社会を踏まえて、若い世代に自分たちの将来を完全に委ねるのではなく、自らも働く限界を自分で決め、年金頼りの生活ではなく自らの収入で生活設計を行う人たちを増やしていかなければならない。また、それはニューシニア世代の自覚に依ってもたらさなければならないと考えている。


◆働く期間を長くする

ニューシニア層は、ネクストシニア層がいるので受給年金の減額は大幅に行われないかもしれない。それにしても一つ上のシニア層のようにはいかないだろう。本当に問題になってくるのは、ネクストシニア層が現在のシニア層に当たる世代に移ったっ時である。年金制度は抜本的に変える必要があるだろう。そのときにはネクストシニア世代も定年なし、自分年金ありの働き方をしていることが望まれる。

日本の会社はピラミッド型を前提としている組織が多い。古い組織でも横断的な仕事をすることもあるが、ピラミッド型組織を前提としているので働き方に歪みが起きる。長時間労働の元凶の一つである。また、働く期間は、会社と運命共同体となる終身雇用制の名残が残っている。だから就職活動に力を入れる。入口で一生の働き方が決まるのだ。

働く期間を長くするには、ピラミッド組織にとらわれない働き方をいつから始めるかということである。ピラミッド型組織にとらわれない働き方ができるようになると定年は意識しなくなる。つまりは働く期間を長くできるよになる。働く期間を固定しているのはピラミッド型組織への依存でしかない。

◆生活資金を安定させる

働くことによって得られる最大のものとして生活資金がある。自給自足でない限り、生活資金はなくてはならない。どのような働き方をしても、生活資金を得られない働き方では社会へ依存することになる。生活保護という制度もあるが、この制度も今後どのように変わるかわからない。ベーシックインカムという制度は今のところ現実的ではない。

生活資金を安定させる方法として、資金の入り口を複数設けることが考えられる。政府も働き方改革で厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。検討する事項は多々あるだろうが、方向性は副業・複業が容認されることになるだろう。

◆自宅をベースにした働き方

副業・複業を行う場合は、互いの仕事が相反することのないように注意しなければならない。理想的には相乗効果をもたらす仕事がよいのだが、あまりこだわらない方が良いと思う。複数の会社の社長を掛け持ちしている人がいる。また社長以外の仕事で複数の組織に所属し対価・報酬を得ている場合もある。もし副業・複業を始めるなら、経営者としての意識を持った方がよい。仕事の掛け持ちでは単なる時間配分になってしまうだけだ。

複数の仕事をするときには自ずと場所が必要になる。専用の場所、共用の場所で仕事をする方法もあるが、自宅で仕事をすることをお勧めする。もちろん、場所、時間、頭の切り替えなど自宅ではなかなかできないこともあるが、解決できない問題ではない。特に限られた作業スペースでできる仕事が望ましい。

ニューシニア世代は、将来的には「仕事+年金」から「仕事>年金」に変わっていく。そのときには従来の集団組織から個人中心の組織構成に変わっているだろう。自分の居場所も特定することなく働くことができるようになるだろう。そのときにはやはり自宅で働くのが一番、だと私は思う。

(了)






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