人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方




◆2035年の人口構成

人口構成から社会の動向を考察しようとするならば、現在の人口構成よりも数十年先の人口構成の予測を見なければならない。どの位先を見ればよいのかは予測の精度にもよるが、下記の図は2010年の国勢調査をもとに予測した図ではあるが、2015年の実際のデータと大きな違いはない。2035年の人口予測も大きな差異は出ないものと考えられる。2035年、自分自身がどの位置にいるか、この図でわかるであろう。自分の位置がわかれば、これからどのように行動していくべきか考えなければならない。見て分かる通り、少子高齢はこれからもずっと続く問題なのである。
参考:国立社会保障・人口問題研究所 「人口ピラミッドデータ」


2035
2015_piramd

◆シニアは何歳から

「シニアは何歳から?」という決まりはない。お年寄りと言うには早いし、中年というには年を取っているのが「シニア」である。では「お年寄りは何歳から?」「中年は何歳から?」という決まりはあるだろうか。おおよそ見かけ、外見で判断することになる。ただしお金が絡むことにはルールがある。民間の割引きなどは「シニア」と呼び、国や自治体が関係することは「高齢者」ということが多い。



◆シニアとシルバー


「シニア」のイメージも変わってきている。「シニア」という言葉が使われだしたのが、1990年代だと記憶している。「シニア」の前は「シルバー」という言葉が使われ、1980年頃からシルバー人材センターが全国で発足しているが、シルバーシートは1973年に当時の国鉄(現JR東日本)が設置しているので、「シルバー=高齢者」として使われだしたのはかなり古い。敬老の日は1965年に国民の祝日となり、最近では敬老の日を挟んだ週をシルバーウィークとして呼んでいる。

前述のシルバー人材センターの加入は概ね60歳以上と規定されていることが多い。定年が60歳から65歳に延長されようとしている時代には「シルバー」という呼称はそぐわない。シルバー人材センターの60歳から64歳までの会員の登録数は全体の5%程度、70歳以上が70%以上を占めている。(参考:みんなの介護/東京しごと財団)

◆シニアはシルバーより若い

60歳定年の法律が決まり施行されたのが1998年、団塊の世代が40代後半となり50歳に手に届くなってきた頃である。この頃になると「シルバー」という言葉は定着していたが、消費意欲の高い団塊の世代を市場にとどめておくために使われだしたのではないかと推測する。またその一方で団塊の世代自身も自分たちを「シルバー」と呼ばれるのを嫌い、自らも「シニア」と言う言葉を使いだしたのではないかと考える。「シニア」には「上級の」という意味があるので違和感なく受け入れられたのだと思う。

◆シニアからニューシニア・アクティブシニアへ

団塊世代を市場にとどめておくためには、市場にお金を落としてもらわなければならない。そのためには購買意欲をそそる割引きや会員制などの手法を取りながら市場の活性化させる目論見があったと思う。団塊の世代が齢を取るにつれて、シニアをニューシニアとかアクティブシニアと呼び、従来のシニアとまた一つ段階を踏むような呼び方が増えた。さらに現在では「シニア」と呼ばれたくない人達も増えている。「プラチナエイジ(フジテレビ)」「グランド・ジェネレーション(イオン)」などはそのよい例である。

◆シニアは高齢者ではなかった

「シルバー=高齢者」という意味で使われたのとは違い、「シニア=高齢者」ではなかった。市場に取り込みやすい呼び方をしただけなのである。したがってこれからも市場に取り込むために、高齢者になる前の年代の呼び方は変化するだろう。国や自治体が「高齢者・前期高齢者・後期高齢者」という年齢で切り分けを行うのは、法律と制度を施行し維持するためである。「シニア・シルバー」は年齢で切り分けられる呼び方ではなく、その時代の社会事情によって変化する呼び方なのである。

◆シニアも高齢者になる

それではなぜ既に使われていた「ニューシニア」という言葉を使ったかというと、社会事情が変わり、「シルバー=高齢者」と同じように「シニア=高齢者」というイメージができつつあるからである。
  1.65歳定年制もしくは定年制の廃止
  2.平均寿命が男性約81歳、女性約87歳
  3.健康保険・介護保険・年金制度の見直し
  4.仕事と働き方、生活と暮らし方が大きく変わった
他にもあるが、ニューシニアに関連する大きな事柄をあげてみた。これらは高齢者という定義が変わるものであり、シルバーともシニアとも言えない世代が登場したからである。

年齢層別人口構成
参考:総務省統計局「2015年10月1日人口」データ

◆人口ピラミッドは逆ピラミッドになった

冒頭の2015年の人口ピラミッドを見ると二つの人口増の年代がある。団塊の世代と団塊ジュニアの世代の年代である。その間の1957年生まれ(約145万人)が団塊の世代後の人口減の時期で、団塊ジュニアの世代の後で見ると1983年生まれ(約145万人)の人口と大差はない。このピラミッドを大きく分けると、75歳以上のピラミッド、団塊世代を上辺にした逆ピラミッド、団塊ジュニア世代を上辺にした逆ピラミッド、そして下層には人口減少もしくは人口安定期を迎えているように見える。

◆シニアとにミドルの違いはなにか

これらを年齢で分けると75歳頃、50-55歳頃、30歳頃を境にして大きく4つの年代に分類してみる。こうすると50歳頃から75歳にかけての逆ピラミッドが「シニア」という年代に該当するのではないだろうか。シニアの世代の下の逆三角形のピラミッドの年代を仮に「ミドル」としよう。シニアが考えるのはこれからの年金収入と介護に関してであり、ミドルが考えるのは生涯収入と子育てに関してである。大きな違いはシニアは上の年代を見て、ミドルは下の年代を見て働き生活していることである。

◆ニューシニアは人口減少期

「シニア」を50歳代から70歳代までを指す言葉とするとその年齢幅は20年以上ある。シニアの中でも年齢的に人口が多い1947年から1950年代前半は「シニア」の核となる層である。その後の10年間は人口減少期にあたり「ニューシニア」と呼ぶ。さらにその後の層は次の人口増と重なる1960年代前半で50歳を超えた辺りから「ネクストシニア」と呼ぶことにする。これは現在の人口構成からこのように呼ぶだけであって、団塊ジュニアがネクストシニアになる頃には「シニア」とはもう呼ばず、区別する意味で「ネクスト(次世代)」と呼ぶようになっているかもしれない。

◆シニアの定年と年金

シニア層は60歳で既に定年を迎えており、ニューシニア層は定年延長の過渡期に位置し、ネクストシニア層では定年65歳もしくは定年制の廃止になっているだろう。また、シニア層はすでに年金のを受給しており、ニューシニア層は年金を段階的に受給する年代であり、ネクストシニア層は年金の受給は65歳からの受給となる。ニューシニア層は過渡期とも言えるが、板挟みの層でもある。親の介護をしながらも次の世代には介護を期待できない、土地や家はあっても次の世代に引き継げないという世代間の隔絶に立ち向かわなければならないのがニューシニア層だと言える。

歴史を振り返れば、過渡期に新たな潮流に乗り主流になったものが次世代に大きく影響を与えていることは確かである。

次項では「働き方」という観点からニューシニアを取り巻く環境と目指すべき方向性について考えてみたい。





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