人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方




◆生活する場所から働く場所へ

自分にとっての働く場所とはどこだろうか。働く場所を生活の起点である自宅の位置関係から考えてみる。自宅と会社という場合も有るだろうし、自宅と現場(客先)という場合もあるだろう。場所が固定している場合もあれば、場所が固定していない場合もある。自らをノマドワーカーと称してカフェやコワーキングスペースで働く人もいるだろう。ニューシニア世代では、生活の場所と仕事の場所が離れている、もしくは分かれていることが多いと思う。

個人で働いている場合は、自宅の一部を働く場所としている人も多いだろう。自宅内で働く場所と生活する場所を別々に設定している人もいれば、同じ場所を時間帯で区切って生活の場所を働く場所として使っている人もいるだろう。働く場所には働く環境が必要である。働くための道具、設備などによって働く場所も変わってくる。また、常にコミュニケーションを取らなければならない働き方と定期的にコミュニケーションを取るような働き方によっても場所が変わってくる。


時間という要素を加えれば、通勤時間、帰宅時間などの働くために移動する時間も考えなければならない。私自身、かつては片道1時間の通勤をしていた。往復で2時間、今の在宅仕事では考えられないほどの時間である。働ける環境が揃っているなら通勤時間は短い方がよい。通勤時間のメリットもある。生活モードから仕事モードの切り替えができるということである。場所を変えることで、仕事モードへのスイッチが入る、仕事モードでのゾーン(集中)感覚を得やすいというのは仕事場ならではの感覚である。

◆自宅を働く場所の起点とする

ニューシニアの働き方の最善の方法として、「自宅を働く場所の起点として位置づけること」を提案したい。実際に在宅で働かなくても、在宅を前提とした働き方を考えてみて欲しい。ニューシニア世代では組織で働く、集団で働くという経験をほとんどの人がしている。組織や集団で働くということがどのようなことを意味するのかを感覚的に理解していると思う。だからこそ在宅で働いても組織や集団で働いていることをイメージできる。イメージできるかできないかは在宅で働く上では大きな違いである。ニューシニア世代こそがテレワーク、リモートワークに向いているはずなのだ。

しかしながら、今、会社で働いている人が「明日から在宅で仕事します」と言ってもそれは受け入れられるものではない。在宅で仕事をするには予め準備しておかなければならないことがある。コミュニケーション、セキュリティ、共用のツール、感覚的な関係などである。一ヵ所に集合して働くことによって、これらはある程度は解決できる。感覚的な関係とは、顔色が悪いとか、なにかに行き詰っているとか、感情が高ぶっているというような直接会わなければわかならいことである。

◆在宅で働くためにはルールが必要

これらは組織のルールを決めることで一つずつ解決できることができると私は考えている。例えば、私の場合は日常のコミュニケーションはほとんどがチャットで済ませている。メールには必要以外のことは書かないし、1つのメールに1つの議題しか書かないようにしている。返信期日をtodayまたはasapとするか、書かない場合は返信無用と考えるなどのルールを決めておけばよい。セキュリティは、資料の照会などはパスワードで、セキュリティの高さによっては仮想VPNなどの設定を行う必要があるし、それ以上のセキュリティはお金をかけさえすれば可能になる。組織のルール次第である。

物理的な共用ツールは自宅に用意するか、所定の場所に赴くしかない。感覚的な関係を含めて定期的に所属または参加している組織に出勤するのは良いことだと思う。特別な理由がない限り直接会うことも必要であり、その時に集中して勤務場所で働くこともできる。ここで考えなければならないのは「自宅を働く場所の起点として位置づけること」を最初に決めることができるかどうかということである。自宅で働くと決めれば解決方法はある。最後の手段として、仕事を変えることで在宅で働くこともできる。

◆場所が変われば時間の使い方も変わる

在宅で働くと時間の使い方が変わる。前述の通勤時間だけではない。働く時間数は勤務開始時刻と勤務終了時刻と休憩時間で決まる。働く時間の管理は、労務管理、生産管理、健康管理など管理要素の一つとなる。まず、在宅時における勤務開始は自由に決められる。コミュニケーションを取るための時間帯に注意すれば開始時刻も終了時刻も自由に決められる。勘違いしてはいけないのが決めなくてもよいということではなく、自分の責任で決められるということだ。

開始時刻から仕事の状況に応じて終了時刻も決められる。一日の労働時間は一定ではなく、成果と進捗に応じて終了時間を決めることができる。仕事が終わっても終業時刻まで待つ必要はない。仕事が長引いたときは残業申請をする必要もなく、サービス残業と諦めることもない。在宅で仕事をするときは時間管理自体が自己管理になる。労務管理、生産管理、健康管理、どれをとっても自己管理となるのが在宅で働くことの絶対条件である。

自宅を基準にして働くと、自宅外で仕事をする時の移動時間も働いている時間として意識するようになる。移動時間はできるだけ短くするようになる。これが通勤時間との大きな差である。同じ時刻に同じルートで通勤するのとは違って、一番早い移動方法を選ぶことになる。外出先での仕事が終わっても、寄り道をすることもなく自宅に戻るまでは働いているという意識がある。在宅で仕事をするということは時間を自由に決められるが、組織で働いている以上に時間に対する管理意識が強くなる。

◆在宅で働くことに向いている人

どのような人が在宅で働くことに向いているのか、在宅で働くための条件とは何かを簡単にあげてみる。
1.自宅に働くスペースを設けることができる人
2.自宅で働くときに仕事モードに切り替えができる人
3.働く時間の開始と終了を自分で決めることができる人
4.自宅以外で働くときも時間管理ができる人
5.労務管理、生産性管理、健康管理を含めた自己管理ができる人
6.コミュニケーションを短時間で正確にできる人
7.1〜6までのことができていなくも、できるように努力できる人

在宅で仕事をすることを決めると働き方も変わるが、仕事自体も変わる。今まで書類(ペーパー)を媒体として行っていた仕事が、書類(ペーパー)をできるだけ少なくすることから始まる。ニューシニア世代にとっては、名刺を始めとしてペーパーに依存する仕事の仕方が多いと思う。自宅でペーパー類が多くなると収納スペースも多くなる。これが在宅で働くこと、在宅で可能な仕事の限界にもなる。場所と時間を意識するとペーパー類を少なくなるので、ペーパーに頼りがちな人は在宅の仕事には向いていない。

◆私の場合は

最後に、私が在宅の仕事に踏み切ったきっかけだが、両親の在宅介護を行う上でやむを得ず在宅で働くことにした。実家という場所、介護という時間は、働く場所には障害となり適さないと思っていた。それは今までの仕事の仕方をそのまま持ち込もうとしたからだった。介護をしながら働くと、フルタイムのような働き方はできない。少ない時間で、移動せずに働かなければならないのだ。仕事内容よりも働き方を変えることが先決だった。今では在宅でもストレスなく働けるようになったが、やはり働き方を完全に変えるには時間がかかった。

次項では在宅で働ける仕事、主にインターネットを使った仕事について、ニューシニアという観点から考えてみたい。




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