人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方




◆ワーク・ライフ・バランスと働き方改革

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が使われだしてから久しくなる。2007年(平成19年)に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が掲げられてから何が変わったのだろうか。最近では「ワーク・ライフ・ブレンド」「ワーク・ライフ・ミックス」というワークとライフを別々に考えるのではなく一つとする考え方も見受けられる。どちらにせよワークとライフ、仕事と生活の両方を意識しながら毎日を生きていくことになるのだが。
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章



「ワーク・ライフ・バランス」とは別に「働き方改革」という提言を元に「働き方改革実現会議」が首相官邸主導で検討されてる。現段階で「働き方改革実行計画(案)」が提出されており、現状抱えている問題に対する対応策が記されている。「仕事と生活(ワーク・ライフ)」の仕事(ワーク)に絞った内容で提案されているのだが、最近を盛り込んだ内容で目新しいものはない。これも実現までは相当の時間がかかるであろう。
第10回 働き方改革実現会議 働き方改革実行計画(案)
「ワーク・ライフ・バランス」では、仕事と生活の時間配分を仕事から生活にシフトできるようにしようという考えである。「ワーク・ライフ・ブレンド(ミックス)」では、同一時間に仕事と生活を並行して行えるようにしようという考えである。「ワーク・ライフ・バランス」では仕事と生活の軸は別々にあり、「ワーク・ライフ・ブレンド(ミックス)」は仕事と生活の軸が同じである。仕事(ワーク)が「働き方改革」で前進するのであれば、生活(ライフ)においても「暮らし方改革」を行わなければならない。

◆ニューシニア世代の「ワーク・ライフ・バランス」

ニューシニア世代にとっての「ワーク・ライフ・バランス」とは、仕事は職場で、生活は家庭でという時間と場所によるバランスであった。「ワーク・ライフ・ブレンド(ミックス)」がなかったわけではなく、個人を相手にした商売では職住が一致しており、場所と時間をやりくりしながら仕事も生活もしていた。仕事の軸はやりたい仕事に就くことは少なく、できる仕事に就くことが多かった。生活の軸は核家族化によって生活単位が小さくなり、平均化された家庭生活を重視するようになった。

ニューシニア世代の「暮らし方改革」を行うのであれば、まずは「軸」を見直すことから始めなければならない。核家族という小さな単位をさらに小さくした個人単位の生活を送ること考えるようにすること、また家族との共同生活ではなく、家族以外の他人との共同生活を送ることも考えるようにしなければならない。さらに平均化された生活を望むのではなく、自分らしい生活を望むように考えることが大切になってくる。平均化された生活とは、他人との生活の平均であって自分の生活と一致するとは限らない。個人生活と共同生活のバランスを取りながら自分らしい生活を送るというのがニューシニア世代の「暮らし方改革」のゴールである。

◆ニューシニア世代の「暮らし方改革」

ニューシニア世代の「暮らし方改革」は、今までの暮らし方との訣別から始まる。高度経済成長時代とバブル時代を経験したニューシニア世代は、モノを所有することで豊かな暮らしを送ること理想として実現してきた。また、高学歴、大企業がステータスだったニューシニア世代だが、これからは組織よりも自分らしさが要求される。そしてもう一つ、時代に沿った生活ができるように新しいことを学ぶことも必要である。

モノとの訣別は、モノを少なくすることではあるが、これだけでは日常の整理整頓と変わりはない。改革というには小さな変化でしかない。大きな変化をもたらすには目標を大きく持つべきである。生活のサイズを今の2分の1にすることを考えてみよう。夫婦二人暮らしなら3分の2でもよい。モノは場所と時間を必要とする。物理的な場所と維持するためのメンテナンスという時間である。時短家電などは便利なようで時間と場所を要しては本末転倒なこともある。

◆ニューシニア世代の生活リテラシー
 
古いモノから新しいモノへの変化を目の当たりに経験してきたニューシニア世代である。身近のモノではダイヤル電話からスマートフォンまでの変化は誰でも感じていると思う。「モノ」ではなく「こと」はどうだろう。「こと」というのは日々の暮らしの中で起きていることである。暮らしの中で起きていることに対応する基礎的知識と行動を生活リテラシーという。生活リテラシーは時代ごとに変わってきている。

ニューシニア世代におけるかつての生活リテラシーは良いモノを選ぶ、良いことを選ぶことが生活リテラシーであった。この「良い」という基準は自分で作ったのではなく作られた基準に従っていたと言えるだろう。次の時代では限られた生活リソース(お金・時間など)を効率良く使うようにモノとことに配分された。そして現在は理想的な「こと」を実現するためのモノに集中して生活リソースを充てることが生活リテラシーとなった。

◆生活リテラシー情報の更新

自分にとっての理想的な「こと」を学ぶのに必要なことは何であろうか。新聞・テレビ・ラジオなどのマスコミ、一般書・専門書などの本、インターネットで得られる多くの情報、そして人間関係によって得られるクチコミ情報など身の回りには情報があふれている。情報の真偽はどのように判断しているだろうか。情報の発信が信頼できるか、信頼できないかで判断してはいないだろうか。もしくは科学的に実証されていることを信じることになる。

生活リテラシーの情報は更新されているだろうか。ニューシニア世代に限らず、自分の年齢の期間だけ時間は進み時代も進んでいるのである。もちろん変わらないこともある。人間の心理とか人間関係の倫理とかは変わらない。変わっていることと変わらないことを確認することも生活リテラシーを上げることになる。ニューシニア世代にとって生活リテラシーは定年、年金、相続、終活などの未来に向けてばかり強調される傾向があるが、毎日の生活の中にも新しいリテラシーを取り込まなければならないことがたくさんある。

◆健康という生活リテラシー

特に健康に関してはリテラシーアップが必要である。健康と病気は相対するものではなく、健康は心身の状態を表すことであり、健康状態が悪い時にはその原因の一つが病気だという関係にある。必ずしも体の不調は病気が原因ではなく、生活習慣が原因になっていることも多々ある。これは病気ではないので薬では治らない。生活習慣を変えるべきなのに薬に頼っている人も多いのではないだろうか。

ニューシニア世代にとって身体の変調は多かれ少なかれ感じてくるものである。加齢による体調の変化をすべて病気だと考える必要はないが、自分の身体について多くのことを学ぶ必要がある。痛みや苦痛を味わう病気になってから検査、治療を受けるのではなく、自分の健康状態を常に知っているべきである。医療的な検査も必要ではあるが、体重や体のサイズ、血圧や脈拍などは自分で測ることができる。筋力や柔軟性なども自分で測ることができる。自分を知る方法、そして健康への考え方なども生活リテラシーの一つである。


生活のに関わる場所と時間を2分の1にして、健康を含めた生活リテラシーを学ぶ時間を2倍にすることで「暮らし方改革」は可能になると思う。
次回は「ライフ」を「生活・健康・人生」という3つの観点から考えてみたいと思う。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)



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