「ライフ(LIFE)」の意味には「生活」「人生」「生命(健康)」があります。前回は「生活」を 「毎日の暮らし」として考えてみました。今回は「人生」をより長い期間であり「一生・生涯」として考えてみたいと思います。





◆人生100年時代

最近では「人生100年時代」と言われていますが、人間の一生である寿命はどのように伸びてきたのでしょうか。今から100年前の平均寿命は男女共に40代です。50年前は男性が60代後半、女性は70代前半になります。そして2015年現在では男性が約81歳、女性が約87歳となっています。100年で平均寿命が約2倍になりました。

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出典:日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる(2017年)(最新)
ガベージニュース

人生を生まれてから死ぬまでと考えたとき、平均寿命が40代の時代と80代の時代では人生に対する考え方も変わっても当然だと言えるでしょう。日本の人口も100年前は5,500万人、2016年現在で1億2,700万人と人口も約2倍以上になっています。人口構造も大きく変化しており、100年前と現在では少子高齢化が如実に表れています。

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出典:人口ピラミッドの推移(国立社会保障・人口問題研究所)

人生論の本質を説く書物を読むと時代を越えた思想が書かれています。人生に大切なことは「知と徳」であること私は学びました。「知」とは「頭」で考えることであり、「徳」とは「心」で感じることだと思います。「頭」と「心」については時代は変わっても変わらないことが多いと思いますが、「体」については確実に寿命が伸びています。

「寿命」の変化で変わることは「生き方」です。寿命が40歳代の20歳と寿命が80歳代の20歳とでは人生の中での位置づけが異なります。同じように寿命が40歳代の50歳と寿命が80歳代の50歳でも人生の中での位置づけが異なります。100年前の50歳は長生き、老練という位置づけでも、人生100年時代では50歳は人生の中間点でしかありません。



◆人生の3つの期間

「生き方」を考える上で社会のシステムの変化を考える必要があります。現在の社会のシステムは、大きくは第二次世界大戦の後に作られました。憲法議論はさておき、国民の三大義務は「教育」「勤労」「納税」となっています。これを「人生」に当てはめると「教育の期間」「勤労の期間」「納税の期間」ということになります。

リンダ・グラットンの「ライフ・シフト(LIFE SHIFT)~100年時代の人生戦略」にも書かれている通り、人生の期間を「教育」「仕事」「引退」と分けて「生き方」が考察され、また提案されています。この中で一番長いのは「勤労/仕事」の期間です。この期間をどのように生きるかという「生き方」が「人生」を考えるうえで重要なります。

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すでに「ライフ・シフト」を読んでいるので、この本に影響を受けていることは多々あります。また私自身の考え方が正しいという主張を貫き通すわけでもありませんので、一人の考えとして読んでいただければと思います。


◆人生は自分のもの

自分の人生は自分のもの、共に生きていく人と時間や空間、志向や関係は共有しても、自分の人生は自分のものという考えが私にはあります。誰かのために生きると決めても、それは自分が自分の人生を決めたことと考えています。

◆教育と仕事

人生は仕事をしている期間としていない期間に分かれます。仕事をしていない期間は学ぶ期間です。裏を返せば、人生は学んでいる期間と学んでいない期間に分かれます。仕事と学びを同時に行っている期間もありますし、毎日なにがしかの仕事、なにがしかの学びがあるとも言えます。「人生」を考える上では、「目的を持って仕事をする期間」と「目的を持って学ぶ期間」と分けたほうが適していると思います。

◆引退したらた何をするか

「引退」というのは「仕事」を辞めて仕事についていない期間を指すとすれば、それは私にとっては「休養期間」です。仕事を辞めても学んでいる人はたくさんいます。それは趣味と言われるかもしれませんが、自分の意志で目的を持って学んでいることです。「引退」を「仕事」も「学び」もしていないのであれば、その期間を「休養」と分けたいと思います。

◆教育・仕事・休養

「人生」を「生き方」と考えるのであれば、「教育・仕事・休養」の3つをどのように組み合わせるかを自分で考えることだと思います。日本では「6・3・3」制という教育制度があります。この後にさらに「学び」を行う機関として大学・専門学校等の機関があります。この制度に従えば、年齢によって教育内容は決められますが、「学び」という観点からはいつでも学ぶことができますし、同様に法律・ルールを守ることを前提にいつでも働き、いつでも休養を取ることができるはずです。

◆生活のための仕事

現代の日本で生活を行うためには、お金(生活資金)が必要です。「学び・仕事・休養」の中で一番お金を得やすいのは「仕事」です。お金がなければ「学び・仕事・休養」もできません。仕事をするにもお金はかかるのです。お金は、人から人の手に渡り循環することによってお金の価値が生かされます。生活のための仕事は、生きるためにお金を得るためでもあり、お金を循環させて社会を維持することにもなります。年々仕事時間は減っていますが、生活が豊かになったと感じているでしょうか。

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1次活動:生活に必要な時間 2次活動:仕事・家事・学業など 
3次活動:1次2次以外の自由時間
出典:「平成23年生活基本調査」(総務省/PDF 134p)

◆「学び・仕事・休養」を繰り返す

もし豊かになったと感じていないならば、「仕事」を生活の一部としてだけ考え、「人生」という長い期間で考えていないのかもしれません。「学び・仕事・休養」を別々の期間として分けることもできますし、同時に行うこともできます。また、複数の「学び」と「仕事」を行うこともできます。例えば、プログラミング学んでIT技術者になり、一度休養期間を経て、心理学を学びセラピストになることもできます。料理を学んで家庭の主婦として生活すると同時に、マネジメントを学んでレストランを開くこともできます。

◆人生をサイクル化する

「学び・仕事・休養」の3つの組み合わせ方を自由に行えるのが「生き方」であり「人生」だと思います。ところが、人生は思うようにいきません。経済上の理由や健康上の理由で3つの組み合わせができないこともあります。また社会情勢などで思うように行えなうこともあります。ただ基本的な考えを「学び・仕事・休養」の3つの組み合わせとして考え、一定の期間ごとに見直しをかけてサイクル化することが必要だと考えています。

◆制度や規則を重んじる日本

日本人の特質として「和」という考え方があります。「和」とは「調和」であり「バランスを取ること」だと思います。制度や規則は、社会のバランスを取るためにあるものですし、他者との関係を良好にするためのものです。社会や他者とのバランスを取るために、自分を犠牲にすることもあります。日本人は自分の人生を犠牲にしても社会や他者とのバランスを取ることが美徳とされます。

◆人生のバランス

人生のバランスは「学び・仕事・休養」のバランスを取ることです。そして自分と他者、自分と社会のバランスを取ることとも言えます。バランスを取ることは、どんなことでも難しいことです。難しいからこそ、人生を語るときに普遍ともいえる「知」と「徳」を考えることになります。もちろん「知」と「徳」は考えなければなりませんが、「知」と「徳」を「学び・仕事・休養」に反映しなければなりません。

◆じゃ、どうすりゃいいの?

「人生」を考えるなら、まず「知」と「徳」を得るようにします。知識・知性と道徳観です。今までは本を読むことを多くの人が勧めていました。もちろん本を読むことも大切ですが、加えて今では多くの人の話を聞くこともできます。テレビではなくインターネットで動画を見ることもできます。英語が解ればそれにこしたことはないのですが、日本語訳でもかまいません。まずはTEDを見てはどうでしょうか。


◆知識から経験、経験から論理

知識・知性と道徳観を学びながら、実際の行動として仕事に反映させていきます。仕事に反映させるには直観的に反映さえせる方法と論理的に反映させる方法があります。どちらでも構いません。仕事に反映できてもできなくても、最後は論理的に考えることで「人生(生き方)」には反映できます。もし早く引退したいと考えているのなら、引退したあとの「人生(生き方)」をどのように考えているのでしょうか。「学び・仕事・休養」のどれも行わない人生でしょうか。私には想像できません。


次回は「ライフ(LIFE)」の最後の意味である「生命(健康)」について考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)



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