人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方




◆人生100年時代

「人生100年時代」という言葉を最近よく聞くようになりました。2016年に出版された「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」のサブタイトルが「100年時代の人生戦略」となっています。


この書籍がベストセラーになった頃から「人生100年時代」と言葉が盛んに使われるようになったと思います。原題は「The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity」で「100年人生:長寿時代の生活と仕事」となります。

著者はリンダ・グラットン教授とアンドリュー・スコット教授で共に同じロンドン・ビジネススクールに籍を置いていますので、仕事という観点からの内容が多くなっています。グラットン教授は2014年にも邦題「WORK SHIFT(ワーク・シフト)」(原題:The Shift)で現状の仕事・働き方の問題点の近未来の仕事・働き方についての著作があります。この2冊を読むと長寿社会での働き方と暮らし方、そして人生について多くの示唆を得ることができます。

 

日本の場合はすでに超高齢社会となっていますので、近未来だけではなく現在抱える問題への対処近い将来に向けての対応21世紀半ばに向けて世界的な高齢化現象についての対策についての3つについて考えなければなりません。また日本では、より具体的に、働き方と暮らし方(仕事と生活)とさらにこれらの基盤となる健康・介護についても考えていかなければなりません。これらを年代別と分野別に分けると70歳以上の年代・50-69歳の年代・49歳以下の年代、そして仕事・生活・健康となります。

50-69歳の年代をさらに3つに分け、50-54歳・55-64歳・65-69歳とし、55-64歳までを「ニューシニア」という世代で考えます。これは前回も書いた通り人口構成と社会制度が大きく変わるために3つに分けましした。団塊の世代を含む65-69歳定年年齢と年金受給年齢が変わリ移行期となる55-64歳、そして新たな制度と人口が緩やかに増える50-54歳となります。また50-54歳という世代は、人生後半戦という意識がまだ実感としてわかない年代でもありニューシニア世代とは別に考えました。


◆健康寿命と体・頭・心の成長

70歳以上は健康寿命と平均寿命を迎える世代になります。2016年7月に厚生労働省が公表した簡易生命表によれば、平均寿命は男性の平均寿命が80.79歳、女性が87.05歳となります。また2013年の平均寿命と健康寿命が、男性の平均寿命が80.21歳に対して健康寿命が71.19歳(差9.02歳)、女性の平均寿命が86.61歳に対して健康寿命が74.21歳(差12.4歳)となっており、寿命を意識しながら生きていくことになります。

新おとな学

老いも若きも各年代での仕事・生活・健康には、その年齢的な時期と社会環境でも考え方が異なります。特に65歳以上は女性の人口が多く、高齢になるほど女性社会になっていることがわかります。人間を成長と老化に分けると、人間の「体」の成長は20歳をピークにして下降し、個人差はあるものの50歳を過ぎると肉体的な違いは誰もが感じます。同じように「頭(脳)」の成長と老化は、体の成長より遅くなります。諸説ありますが35歳限界説という言葉があるように、ピークは30代で下降し、60歳を過ぎる記憶の衰えなどを感じるのではないでしょうか。

「体」や「頭」の衰えを感じても、衰えないものがあります。それは「心」です。「心」の成長は年齢とは関係ないように思います。若い時は体力で仕事をしていても、キャリアとスキルを身につけると「体」と「頭」を使うようになります。そして高齢になるにしたがって、相談や教育という仕事が加わってきます。相談や教育は、キャリアやスキルの伝承だけではなく、「心」の相談や教育も含みます。齢を重ねるにつれてこういう役回りが多くなる人とそうでない人が出るのは「心」の成長度合いの違いなのかもしれません。

このようにして考えると、「年代 × 分野 × 成長」というタイプ(型)に分類して考えることができます。また分類されたタイプに固定するのではなく、タイプの間を人口構成と社会環境の影響で属するタイプが移動することも考えられます。55-64歳というニューシニア世代の中でも、年齢を重ねるごとに仕事から生活へ、生活から健康へと重要度が変わるかもしれません。また同じ仕事でも、仕事して何かを提供する側と消費者として何かを受ける側とでは考え方も変わってきます。個人差という差を考えながらも自分に適した生き方を模索していきたいと思います。


◆好きなこと・やりたいこと

ニューシニア世代で一番の関心事はなんでしょうか。「健康・お金・人間関係」に続き「趣味関連」が続いています。趣味については、健康・お金・人間関係に大きな問題がない時に考えられることですし、趣味は消費になるのでお金があっての趣味ということになります。「健康」は、毎日を健康に暮らすという漠然とした考えもあれば、介護状態になりたくないという考えでの健康管理もあります。同じ行動でも目的を持つかどうかで「仕事・生活・健康」についての考え方も変わります。

新おとな学

定年になったら「好きなことをする」「やりたいことをやる」といった悠々自適の生活を送る人もいれば、悠々自適の生活はしたいが現実的にはできない、悠々自適という引退生活ではなく現役として生活したいという考え方もあります。「好きなことをする」というのは定年になったからできるというものではありません。「好きなこと」は好きな時にするのが一番であって、大切なことはどのくらい好きかということです。

定年になるとまず「旅行に行きたい」というのが必ずアンケートの上位になります。まとまったお金と時間があるからだと思います。好きなことであれば何度も旅行に行くはずなのですが、何度も旅行へ行く人は少ないのではないでしょうか。むしろ毎日できる健康管理のための「運動」などに興味が移るのではないでしょうか。旅行と健康の違いは何でしょうか。旅行は消費で、健康は投資だということです。また、旅行は好きなこと、運動はやりたいことの違いです。

「好きなこと」と「やりたいこと」の違いは仕事にも表れます。仕事は生活費を稼ぐという最大の目的がありますので、なかなか好きなこと、やりたいことを仕事にできる人はいません。「好きなこと」というのは自分が好きなことであって他の人が好きかどうかは本来は関係のないことなのです。 「好きなこと」を仕事にするのが難しい理由はここにあります。「やりたいこと」というのは自分のためにやりたいことではなく、誰かのために「やりたいこと」と考えると自ずと仕事としてやりたいことを考えるようになります。



このようにして、前述の「年代 × 分野 × 成長」という考え方を基本にして、「好きなこと・やりたいこと」を組み合わせて「ニューシニア世代の生き方」を考えていきたいと思います。次回は「好きなこと・やりたいこと」をもう少し詳しく、さらに「できること」「やらなければならないこと」などを組み合わせて考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)



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