人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生100年時代になったのだから、働き方・暮らし方、そして生き方を考え直そうという動きがあります。かくいう私もその一人です。


ただ人生100年時代と言っても100人いれば100人の人生観があり、働き方も暮らし方も違うのですかから、考え直したところで正解はないのです。大切なことは考えることであり、答えを出すことではないと思いつつこのブログを書いています。


◆定年後の仕事

「定年後は好きなことをやって暮らしたい」というのは昭和の話で、定年まで働けばそのあとは自由にさせてあげるから、定年までは嫌なことがあっても我慢して働きなさい、と言われていた時代の話です。今となっては好きなことは好きなときにやる、好きなことは先延ばしにしないという考え方のほうが主流のような気がしますがどうでしょうか。ところで「好きなこと」とは何でしょうか。

毎日やっても飽きない「好きなこと」って何でしょう。毎日行っていることはあっても、それが好きなこととは限りません。「好きなこと」を趣味にしている人はいらっしゃると思います。趣味を楽しみながら定年後の暮らすのも良いと思います。ただ毎日毎日、趣味に没頭できる人は羨ましいと思う反面、自分にそれほど好きな趣味があるかと自問自答しています。

どんな趣味に没頭してもよいのですが、生活できるだけの資金的余裕がないと、毎日趣味に没頭する生活はできません。年金、貯金、そして定年後の仕事という話題も尽きることはないのです。年金と貯金は過去の積み重ねですので、定年後の仕事について考えてみたいと思います。

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◆好きなこと

まず「定年後」という考え方ですが、定年という言葉に敏感になるのは、公務員や会社勤めなど組織で働いていて、「定年退職」というルールがあることが前提になります。定年がない会社や個人で働いている場合、主婦(主夫)として暮らしている人は自分の「定年」を意識することはないと思います。むしろ「引退」という方が適していると思います。

仕事と趣味の違いは、仕事は誰かに働きかけることで仕事になりますが、趣味は誰にも働きかけることはありません。昭和の時代は定年後のサラリーマンの暮らし方に将棋や碁を楽しんでいる姿を描いていることがよくありました。将棋も碁もゲームの相手はいますが、相手を負かすことよりも自分が楽しむことのほうが大切にしている暮らし方だと思います。

「好きなこと」というのは、自分が好きなことであり、他の人が好きなことではありません。定年後の仕事は好きなことをするという考えもありますが、自分の好きなことを仕事にしてうまくいく人は極めて少ないと思います。「うまくいく」というのは職業としてお金を稼ぐことができるという意味です。定年後に好きなことを趣味として行うのはよいのですが、仕事として行うことはおすすめできません。


◆やりたいこと

趣味はお金が出ていくばかりの消費です。自分に投資をしているのであれば、いつか投資益として還元されることになりますが、投資益を求めて趣味を行っているのではないと思います。仕事とは他の人に働きかけてお金が入ってくること、言いかえれば何らかの利益があることが前提になります。本が好きで本を読むのは「趣味」です。読んで面白かった本を誰かに紹介すること、誰かに販売することでお金をいただけるようになると「仕事」になります。

本を読むことは「好きなこと」で、誰かに紹介したり販売することが「やりたいこと」になります。「好きなこと」をするだけでは仕事にはなりません。「やりたいこと」が加わらなければ仕事にはならないのです。「やりたいこと」というのは「やりたいこと」をした後にどのようなことが起きるかを期待しているはずです。お金をいただく、働きかけた人が喜ぶ、もっと大きく社会のためになるなど、なにか期待するものがあるはずです。

現在の仕事でも「やりたいこと」を行っている人はたくさんいると思います。やりたいことは「やる」であり、好きなことは「する」なのです。誰かのために「やる」と好きなことを「する」の違いです。「定年後に好きなことをやりたい」というのは、好きなことをして誰かのためになるということであれば、定年後の仕事に近づくと思います。本を読むのが好きだから本を売るのではなく、本を買った人に喜んでもらいたいということが「仕事」になるということです。


◆できること

定年後の仕事を考えるときに「好きなことを仕事にしたい」と考えているのであれば、「好きなこと」「やりたいこと」の他に「でききること」も考える必要があります。前述のとおり「本を読むのが好きだ、本を販売したい」と思っていても、本を紹介するのは苦手だし、どのようにして販売してよいのかわからない、ということでは仕事にはなりません。

このようなときには、見よう見まねでやってみる、誰かに教わるなどの方法があります。どちらも時間がかかりますので、定年後に始める場合は予め準備期間も計算に入れておく必要があります。特に実店舗や対面取引などを考えているときには単に準備期間ではなく計画を立てることも必要です。取り合えずやってみるというようなわけにはいきません。

また、自分では「できないこと」を他の人に頼むこともできます。一緒に仕事をする人を見つけたり、外注業者に依頼したりという方法も考えられますが、他の人に頼むということは交渉が発生します。交渉も「できること」の1つになります。交渉が苦手では先に進まなくなります。他の人に頼むときには明確な指示も必要になりますので、仕事の一部として考えなければなりません。


◆やらなければならないこと

定年後の仕事を、「好きなことの中で、できいることを仕事にする」として考えたときに、当然のことながらやらなければならないこともあります。他の人に働きかける、つまり顧客への対応が必要になるのですから、一般的な仕事を進める上でのルールを守らなければなりません。自分のやり方、今までのやり方では仕事が進まないこともあります。

特にお金を稼ぐ、金銭の受け渡し、回収、支払は、厳格に行わなければなりません。現金の受け渡しが少なくなっていますので、確実に回収と支払がされるかどうかが仕事の生命線になることを、今一度自覚し直して仕事を始めることになります。

また、定年後の仕事をいつまで続けるかということも常々考える必要が出てきます。「定年」ではなく「引退」です。一生仕事したいと思っている人も、いつかは引退しなければならないのですから。


◆雇用と起業

定年後の仕事の仕方には、再雇用や再就職のように働く方法と個人で仕事を始める方法があります。このときに「自分の好きなこと」を仕事として選ぶことを考えているときには、自分が一個人で仕事をすると考えた方が良いと思います。つまり再雇用でも再就職でも個人で働いているのと同じように、会社(組織)との契約関係で仕事をすると考えるべきだと思います。

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最初は人間関係で初めても、仕事自体は契約関係で行うことが大前提となります。すべての仕事は契約関係で成り立っています。通常の雇用でも会社と個人の雇用契約という契約関係で成り立っています。定年後の仕事は、年齢から考えても大人の仕事の仕方が要求されます。「知らなかった」「今までは違った」などは通用しないと思ったほうがよいくらいの覚悟で働くべきだと思います。

人生100年時代で働く期間が長くなったと言われますが、人生を大きく2つに分けて働く考え方もできます。「50歳まで」と「50歳から」という考え方です。50歳までは「頭」も「体」も右肩上がりで考えてもよいですが、50歳を過ぎたら「頭」か「体」のどちらかが右肩下がりになることもあると考えた方が、定年後の仕事を考えるときには大切です。

「好きなこと」というは「頭」でも「体」でもなく、「心」の中で起きていることです。「心」と「頭」と「体」をひとつにして考えることができる内から定年後の仕事を考えたほうが良いと思います。それが「50歳」という節目を意識することで現実味を帯びてくるのです。定年のない会社で働いている人も、個人で働いている人も。主婦(主夫)として働いてる人も、この節目の「50歳」を意識してみてはどうでしょうか。



今回は「定年後の仕事、50歳からの働き方」について考えてみました。次回は「定年後の暮らし、50歳からの暮らし方」について考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)





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