人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


「ワーク・ライフ・バランス」という考え方があります。「ワーク・ライフ・バランス」は「仕事と生活の調和」という意味で使われていますが、最近では長時間労働を止めて生活時間を増やしましょう、という意味で使われることが多いように思います。


もともとは1999年に施行された男女共同参画社会基本法に基づき、男女の機会均等や共同参画を推進することを任務とした男女共同参画局の下で、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が2007年に策定されました。


◆仕事とは・生活とは

この「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」読むことで仕事と生活の意味を読み取ることができます。

仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらす。同時に、家事・育児、近隣との付き合いなどの生活も暮らしには欠かすことはできないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい、喜びは倍増する。

「仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらす」ということから仕事は「暮らし」の一部であることがわかります。また「生活には家事・育児、近隣との付き合いは暮らしには欠かすことはできない」ということから生活も「暮らし」の一部であることがわかります。この場合の暮らしとは毎日の暮らしを指しているので、毎日の暮らしは人生そのものと考えることができます。つまり「人生には仕事と生活がある」という考え方になります。

仕事は「働き方」、生活は「暮らし方」としてこのブログでは考えています。「ワーク・ライフ・バランス」の暮らしはむしろ生き方と言えるのではないでしょうか。今回から数回にわたって「ワーク・ライフ・バランス」では「生活」を意味する「暮らし方」について考えてみたいと思います。


◆基準・平等・公平


「男は外で働き、女は家を守る」という前時代的な考え方はさておき、「ワーク・ライフ・バランス」とは男女の差だけを問題視しているわけではなく、老若男女が差がないように仕事と生活のバランスを取ることを目的としている考え方です。さらに考えなければならないのは「差」とはどのようして生まれるのかということを考えなければなりません。

「差」とは比較することで生まれるものですが、比較するものが何かということになります。例えば、体重50キロは軽いでしょうか、重いでしょうかという問いには答えようがありません。何かを基準にしてその差を計算して軽いか、重いかを判断します。仕事と生活のバランスを考えるときにも基準が必要になります。

また基準に基づきバランスを取るときにも「平等」と「公平」という考え方があります。老若男女が平等に仕事と生活のバランスを取ることは現実的ではありません。仕事を重視できる年代と生活を重視しなければならない年代もありますし、職種によっては個人差はあっても男女の適性はあるものです。「平等」と「公平」の考え方の一つの例を示しておきます。


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最近では社会的弱者という言葉も使われ、その中には仕事と生活のバランスが取れない意味でも使われることがあります。その中には経済的弱者として、高齢者・女性・子供・失業者を貧困層として扱われることがあります。仕事と生活のバランスというのは、経済的な理由もありますがすべてではありません。仕事と生活のバランスが取れない理由は、健康上の理由や家庭環境、職場環境、ハラスメントやストレスなど多岐に渡ります。


◆ニューシニア世代の暮らし方

「仕事と生活のバランス」から世の中の動きを少しだけ振り返ってみました。これから考えていく「暮らし方」は「働き方」で対象にしたニューシニア世代の暮らし方です。人生後半戦の50歳から始まり、55歳から64歳までを中心に、65歳から70歳になるまでを含めて考えていきたいと思います。

日本は超高齢社会(65歳以上の人口が21%超)であることはもうご存知だと思います。超高齢社会の割合はさらに上昇していくと考えられています。では65歳以上の方はどのように暮らしているのでしょうか。世帯割合を見ると65歳以上の者がいる世帯の割合は46.7%ですから2世帯に1世帯は65歳以上の方が住んでいることになります。さらにその内の25.3%は単独世帯ということは、65歳以上の独居老人が4世帯に1世帯あることになります。

新おとな学

高齢社会を人口で考えるよりも世帯で考えた方がより身近に感じられます。暮らし方を考えるときも社会の傾向も踏まえなければなりません。前述の何を「基準」とするかということになりますが、自分が住んでいる自治体の人口構成、できれば世帯構成を知る必要があります。

「ワーク・ライフ・バランス」は国の施策で、実際に施行するのは自分の住んでいる自治体になります。自治体は「ワーク・ライフ・バランス」を考えるときに、住民の多数を占める部分に焦点を合わせます。多数を占める部分が「基準」となりますので、人口構成を知らなければ自分が基準からどれだけ離れているのかを知ることができません。

ただし基準から離れているからといって不利益を被ったり、不公平に扱われるということではありません。自分の住んでいるところの「暮らし方」の中心となっているのはどの年代の人たちで、その基準から離れている人はどのような「暮らし方」が望ましいかを知ることができます。例えば、高齢者の多い地域で保育園を作ろうとすると難航したり、無料の高齢者福祉の制度は歓迎されたりすることがあります。「暮らし方」は地域の人口構成に大きく影響されるのです。


◆暮らし方のルール

就学前の子供には保育園・幼稚園、そして小学校・中学校、さらに高校・大学と社会人になるまでは乳幼児期を除き、自宅とは異なった生活場所があります。つまり家庭での暮らし方と家庭外の暮らし方の2つがあります。社会人の年代になると仕事での働き方と自宅での暮らし方の2つなります。一方で仕事での働き方のない主婦・主夫という暮らし方もあります。定年もしくは引退して仕事を辞めると自宅に居ながらにして居場所のない生活が始まります。

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暮らし方というのは、自宅での暮らし方だけを指すのではありません。仕事での暮らし方を「働き方」と呼んでいるだけなのです。学校に通っているときは学校のルールに従って生活しますし、仕事先では仕事先のルールに従って生活します。そして自宅でも目に見えないルールに従って生活しているのです。もし定年を迎えて自宅で居場所がないと感じるのなら、それはルールがないからだと思います。

ニューシニア世代の暮らし方のルールは、自宅のルール、家族のルール、社会のルールの3つがあります。根本的なところでは自分のルールというのもあります。ニューシニア世代になると、仕事先の働き方のルールと暮らし方の3つのルールが優先され、自分のルールを失っなっている人もいます。ルールがなければ仕事と生活のバランスを取ることもできなければ、仕事を辞めた時には暮らし方のルールに従うしかないのです。

ニューシニア世代の暮らし方で考えなければならないのは、「暮らし方の自分のルール」です。ルールは習慣ではありません。ルールとは基準です。その基準から外れた時にどのようにするかが暮らし方の重要なポイントになります。そして自分の暮らし方を平等という観点から考えるのか、公平という観点から考えるのかによっても暮らし方が大きく変わります。



次回は「ニューシニア世代の暮らしは何が変わるのか」について考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)




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