人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


◆死ぬ準備をする

前回
「50歳を過ぎの人生後半戦は下り坂である」であるということを書きました。坂の下り方は上り方とは違います。下り坂には下り方があります。


下り坂の終点は「死」です。「生まれた瞬間から死に向かっている」と考え方もありますが、「生」か「死」の二者択一しかないのですからこれは避けようのない事実です。「生きている間に何をしようか」と考えるのは「死」を意識した人にしかできないと思います。

「死」を意識して毎日の生活を送っている人と意識していない人ではどちらが多いかというと、意識していな人の方が圧倒的に多いと思います。今回は「50歳を過ぎたら死ぬ準備をする」ということについて考えてみたいと思います。


◆人生のゴール地点

人生計画という大上段な考えではなくても、計画を立てるときにはスタート地点から計画を立てる方法とゴール地点から逆算して計画を立てる方法があります。学業でも仕事でもゴールを意識しますが、自分の現在地点からの積み重ねでゴールまでの道のりを計画することが多いように思います。

ゴール地点から考えるということは、ゴールする前の道のりを逆算するということです。例えば、マラソンで100m走のようにスタートダッシュをする人はいません。ペース配分を意識してゴールからの逆算して途中地点でのタイムと体力を計算すると思います。

人生後半戦はゴール地点から逆算して考えてみることが必要です。なぜならゴール地点は人それぞれ違いますが、50歳を過ぎたら同じだけの期間を生きることを考えて計画を練ることができるからです。2015年時点での平均寿命は男性が80.75歳、女性が86.99歳です。どんなに平均寿命が延びようともゴールを50歳の倍の100歳と考えて残りの人生計画を逆算してみるができるのではないでしょうか。

新おとな学


◆ゴールを意識する

ゴールを100歳に置くこともできますし、平均寿命に置くこともできます。平均寿命は0歳の平均余命として考えますが、2015年時点での50歳の平均余命は男性が32.39歳(寿命82.39歳)、女性が38.13歳(寿命88.13歳)となります。また自分の力で日常の生活が送れる健康寿命を参考にする男性も女性も70歳代前半が健康寿命となります。

新おとな学

どの年齢をゴール地点と考えたとしても、50年間生きてきたよりも短い期間にゴールを迎える人が多くなると思います。人生後半戦ではゴール地点が立てやすい年齢とも言えるでしょう。実際には、予期せず考えていたゴールよりも短い人もいるでしょうし、100歳過ぎの方も6.5万人もいらっしゃいます。

大切なのは、ゴールをどこにするかよりも、ゴールを見すえて生きていくことです。そのためには仮のゴールでも設定して、目標と計画を立てて毎日を送ることが人生後半戦の下り方だと思います。


◆「終活」と「死ぬ準備」

「終活」という言葉があります。「人生の終わりに向けての活動」ということですが、実際の活動の内容は、生前の整理と死後の整理に分かれます。生前の整理は主に物品的整理、金銭的整理、社会的整理と生活補助に分かれます。死後の整理は葬儀と物品的整理、金銭的整理、社会的整理の相続になります。

「終活」は「死ぬ準備」の一部で全てではありません。「終活」は終わり方であり、「死ぬ準備」は生き方です。「死ぬ準備」とは言ってはいますが、人生後半戦の生き方を意味しています。ただ人生前半戦のピークを目指した生き方とは違い、終わりを意識した生き方です。


◆1年後と5年後

人生の終わりを何歳にするかということは前述しました。人生の終わりを100歳にした人は、50歳ならば50年、60歳ならば40年あります。長期的な計画ですので、当然変更は出てきます。上り坂のときは変更方法もいろいろと考えられるのですが、下り坂では変更方法の選択肢が少なくなります。

下り坂を選ぶときに過去の経験を生かそうとするので、同じ失敗はしたくないという気持ちが働いてしまうからです。経験が多いというのは、成功経験が多い場合もありますし、失敗経験が多いこともあるのです。上り坂では成功経験を生かそうとしますが、下り坂では失敗経験を生かしてしまいがちです。

そのために失敗経験の数だけ選択肢が少なくなります。忘れっぽい人、楽観的な人ほど人生後半戦の計画は立てやすいかもしれません。楽観的な人でも、悲観的な人でも、冷静な人でも、人生後半戦の計画は、1年後に死んだ時の計画と5年後に死んだ時の計画を2通り立てるべきだと思います。


◆計画と終わり

私は、年末年始にかけてこれから1年先の計画と5年先の計画を立てています。計画というと事業計画のように考えがちですが、微に入り細に入り立てる計画ではありません。この1年間でできたこと、できなかったことの見直しです。

この1年間の計画でできなかったことが5年後の計画に影響してくるのならば、5年後の計画を6年目に延ばすのではなく、5年後の計画の規模を小さくします。思ったよりも計画が早く進み目標を達成できたときには、計画を追加したり目標を上げたりをしません。達成できた時点で終わりです。もちろん達成できない場合は計画を終了し、5年経った時点で新たに計画を練ります。

新おとな学


◆私の場合ですが・・

ニューシニア世代に当てはめると、50歳、55歳、60歳、65歳の時点で5年計画を立てています。私の場合はゴールを80歳に想定して計画を立ててきました。寿命の他にも計画を立てる項目があります。仕事、生活、人間関係、住居、健康、時間、その他という項目に分けて計画を立てています。

例えば、
仕事:体を動かす仕事は70歳まで、頭を動かす仕事は80歳まで
仕事の評価:金銭的報酬があればよい、社会的報酬はいらない
仕事の元手:全収入の中から生活費を除いた3分の1以下
などのように決めています。

これを5年後の目標に置き換えると、対外実務による収入が25%、インターネット収入が25%、年金収入を50%としました。対外実務というのは、雇用による収入や実際に顧客にモノや時間を提供することによって得る収入です。インターネット収入は情報提供による収入です。年金と同じ額だけ稼ぎぐことを目標にしています。

これを段階的に毎年の計画に落としていくわけですが、計画通りに行くこともあれば、まったくもって計画通りにいかないこともあります。例えば、閉鎖したブログの数は、今、運営しているブログの数の3倍近くあります。計画通りにはいきません・・。


◆「死ぬ準備」とは「死ぬまでの生き方」

1年の計画というのは、5年毎の計画から逆算するのですが、計画の重要な時期が重複します。これは最初から頑張るタイプの人と来年から頑張ろうというタイプの人がいるように、タイプがあるのです。すべての項目を自分のタイプで決めると当然、頑張る時期が重なってしまします。

人生後半戦は下り坂ですので、できるうちにやってしまおうという気持ちが強くなり、計画の初期段階に詰め込み過ぎてしまいます。もしくは後でやろうと思っても、なかなか頑張りが利かなくなるのも人生後半戦ならではです。自分のタイプを考え、人勢前半戦の目標の60%から80%ぐらいが適切だと感じています。

「死ぬ準備」とは「死ぬまでの生き方」です。死ぬまでの計画を立てるということは、どのようにして生きるかという計画です。その生き方の中に終活も含まれます。ただ終活だけで毎日は終わりません。生きていることを感じながら毎日を暮らすためには、死ぬことを考えての計画に沿って生き方を考えること、これが「人生後半戦の生き方」であり人生後半戦の下り坂の下り方だと私は思います。


次回からは、「ニューシニア講座III」として「ミニマルビジネスとシンプルライフ」について考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)





↑このページのトップヘ