人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方




◆ワーク・ライフ・バランス

「ワーク・ライフ・バランス」という考え方があります。内閣府でも「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を発表してまでの力の入れようですが、実感として仕事と生活のバランスは変わったでしょうか。目に見える変化があるとすれば、仕事と生活の時間配分ではないでしょうか。


毎日の暮らしは時間の配分で決まります。1日は24時間ですので、その中での時間をどのように使うかが暮らし方の違いになります。ここでいう「暮らし方」というのは時間配分という意味であって、仕事と生活に分けたときの「生活」のことではありません。

ニューシニア世代にとっては、仕事時間と生活時間を分けることはあまり違和感を感じないと思います。仕事時間と生活時間の違いはなんでしょうか。最も大きな違いはお金の流れである「収入」です。仕事時間では他者へ働きかけることによって収入を得ますが、生活時間では他者への働きかけることでも支出が多くなります。

次に大きな違いは生きていくために必要な「生理的欲求」を満たす行為です。食事・排泄・睡眠など生理的欲求に関わる時間です。マズローの欲求五段階説に従えば「安全欲求」「社会的欲求」による行為は部分的に生活時間に含まれます。健康管理、家族と過ごす時間などです。

仕事時間と生活時間を切り替える時間帯は両方に当てはまる時間ですが、生活時間としての解釈が一般的ではないでしょうか。同じ時間帯に仕事時間と生活時間を同時進行させることは難しいことです。子育てしながら仕事に就く、介護をしながら仕事に就くなどへ現実的な問題です。

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」
仕事と生活の調和とは(定義)


◆ワーク(仕事)の考え方

仕事時間と生活時間は現実として存在します。「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が広く知られるようになってから、仕事時間と生活時間を別々ではなく同じように考えようという「ワーク・ライフ・ミックス」「ワーク・ライフ・ブレンド」という考え方も出てきています。

どちらの考え方でも「ワーク」と「ライフ」という言葉からイメージする行為や行動があるわけで、あえてひとつのこととして捉えるほうが無理があると思います。ブレンドやミックスという言葉は、ワーク(仕事)の捉え方によるものだと思います。

ワーク(仕事)は自分の好きなことではない、やりたいことではないという思いから、自分の好きなこと、やりたいことを仕事にしようという考え方が強い表れだと思います。同じようにライフ(生活)についても自分の好きなこと、自分のやりたいことを取り入れようという考えがあると思います。

社会生活をしていると必ずしも自分の好きなこと、自分のやりたいことばかりではありません。ときには我慢をし、ときには妥協することが必要になってくることもあるでしょう。我慢や妥協などが自分の将来につながるものとして受け入れることがほとんどだと思いますし、そう教えられてきました。

我慢や妥協などを受け入れられなければならないというのではなく、「将来を考えて」というところが私にはひっかかるのです。将来というのは直近の未来であり、一般的に言う未来とはかなり先の意味を含んでます。将来のことを考えるのか、未来のことを考えるかによって考え方が異なるのではないでしょうか。

「ワーク・ライフ・バランス」も「ワーク・ライフ・ミックス」も「ワーク・ライフ・ブレンド」も、本来は未来の仕事と生活についての考え方ですが、現在よく使われている「ワーク・ライフ・バランス」という考え方は直近の問題についての考え方のように思います。




◆事業者という考え方

50歳を過ぎてからのニューシニア世代にとっては、バランスもミックスもブレンドもありません。仕事時間と生活時間を分けるという考え方でもはなく、仕事も生活も好きなこと、やりたいことに時間をかけるということでもありません。

仕事も生活も自分の人生です。働き方も暮らし方も「生き方」がどうありたいのかということです。50歳を過ぎたニューシニア世代にとっては生きる時間、生きる期間に限りがあるということが見えてくる世代でもあるのです。残りの人生を考えるときには、仕事も生活も時間配分でしかないと思います。

仕事をどうすべきかよりも仕事をどう考えるべきか、生活をどうすべきかよりもどう考えるべきかということになると思います。「収入」を考えるのであれば仕事時間について考えるべきですし、「基本的欲求(生理的欲求・安全欲求・社会的欲求)」について考えるのであれば生活時間について考えるべきだと思います。

新おとな学


仕事の考え方には、給与もらって働く雇用者としての働き方と事業を行って働く事業主としての働き方があります。雇用者は組織の下で働き、事業主は組織のトップか個人で働くことになります。今までは雇用者と事業主は別々に考えてきましたが、事業者としての考え方をもてば両者に当てはまります。

ニューシニア世代では、組織で働いていても事業者としての考え方を持てるかどうかが分かれ道になります。事業者とは、自分の仕事を事業として考える人のことです。同じ仕事をしていても組織に雇われているのか、それとも事業として組織の中で働いているのかの違いです。

事業とはビジネスです。車を売っている会社で働いているので車を売ることが仕事という考え方は雇用者としての考え方であり、その会社を経営しているというのが事業主、経営者の考え方です。自分は時間短縮と安全性をともなった便利さと快適さを売っているという考え方が事業者の考え方です。

組織がなくなれば雇用者も事業主も仕事を続けることはできませんが、事業者は新たなモノやサービスに転化して仕事を行うことができます。転職、起業などの方法も考えられます。ニューシニア世代に必要な考え方は事業者としての考え方です。



利用者・生活管理者という考え方

生活についての考え方はどうでしょうか。毎日の生活を行う上で時間を使う他にお金を使います。言いかえれば生活者とは消費者として考えらる場合が多いと思います。また、健康管理や家計管理、家事全般の作業など生活管理者とし考えることができます。

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ニューシニア世代の特徴としては、子育てが一段落もし、住宅ローンの支払いも終わるという時期として考えられ、一方で健康管理に不安を感じるじきとして想定されることが多いと思います。実際にはどうでしょうか。生活者の事情と状況は個人個人によってかなりの差があります。

消費者としてはシニアを対象にしたマーケット作りが盛んに行われていますし、健康管理を始めとする生活管理者としては、あらゆる情報がマスメディアにもネットメディアにも溢れています。一方では貧困問題という生活困窮者についても社会的な問題として露わになってきています。

ニューシニア世代の生活者はどのような考え方を持つべきでしょうか。まず消費者だけではなく利用者としての考え方をもっと持つべきだと思います。共有、共用という考えで個人所有を少なくする考え方です。もう一つは生活管理者としてのレベルを上げるために良質の情報を得ること



ニューシニア世代のワーク(仕事)とライフ(生活)は、事業者という考え方と利用者・生活管理者という考え方を持つことで、「ワーク・ライフ・イノベーション」を起こすことができると思います。事業者としてはミニマルビジネスを、利用者・生活管理者としてはシンプルライフを行うことをこれからさらに考えてみたいと思います。


次回は「ミニマルビジネスの始め方」について考えてみたいと思います。
(ニューシニア講座は毎週1回、月4回の更新予定)





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