「孫子の兵法」は戦略の書です。「人生後半戦」における「敵」とは未来の自分であり、「己」とは現在の自分です。「戦い」とは現在から未来への「働き方・暮らし方」として考えます。今回は「虚実編」から学びます。





◆超高齢社会の未来予想図

「人を致して」とは自分の作戦行動に乗せること、「人に致されず」とは相手の作戦行動に乗らないことです。相手の作戦行動を自分の未来の姿と考えるとは、どのようことを指すのでしょうか。超高齢社会の未来予想図はかなり厳しい状況になると予想されています。

◆定年・年金・寿命・介護

それは、定年は65歳からさらに延長もしくは定年制の廃止、年金は原資が枯渇する可能性があり70歳から支給、平均寿命はやがて90歳を超えるが健康寿命は延びずに要介護者がふえるなどです。他にも、労働人口が減ることにより税収減になる一方で社会保障費の増大が考えられるなど、暗い予想がなされています。

◆高齢者白書を見ると・・

このような予想をそのまま信じることが「人に致される」ことであり、「人に致す」ということは暗い予想が現実にならないためにどのように生きていくかということになります。根拠のある予測は、予想の裏付けとなたなります。予測から予想される未来は、ここ数年の高齢者白書を見ると国の考え方が読み取れます。

新おとな学

◆「不」の情報を信じる

50代60代のニューシニア世代がとるべき行動というのは、「不」の情報を真っ向から信じないことです。「不」の情報とは、超高齢社会への「不安」「不満」そして「不便」に関する情報です。このような情報を元にして、商品・サービスの認知度を高めようとしている情報も多くあるからです。

◆人のやらないこと・敵の弱点

「虚実編」では、「人のやらないことをやれ」「敵の弱点を突け」というように促しています。「人のやらないこと」というのは、定年・年金・介護などについての商品・サービスをそのまま受け入れてはいけないと考えることができます。また「敵の弱点」というのは予想に反する考え方はできないかということだと思います。

◆分散させずに集中する

「人のやらないこと」「敵の弱点」に続けて、自分の力を分散させずに集中することで勝つことができる、すなわち予想とは異なった「働き方・暮らし方」ができるというように考えられます。すべての人が同じ働き方・暮らし方を行うのではなく、それぞれの人が自分の力を集中し自在に働き方・暮らし方を考えると捉えてもよいのではないでしょうか。

◆無形・水の戦法

この自在な働き方・暮らし方を「無形」「水の戦法」と書かれています。過去の「定年=老人=介護」「定年後=老後=年金生活」と考えずに、新たな考え方を持って自分に合った「働き方・暮らし方」を模索できる年齢になったと考えることもできます。過去にとらわれずに自在に考えることが必要になったのです。

◆虚実の意味は

「水の戦法」の最後に「兵の形は実を避けて虚を撃つ」と書かれています。「戦争も、充実した敵は避けて手薄をついていくべきだ」と本書では解説されています。「働き方・暮らし方も、予想されるような未来の姿ではなく、自分たちに合った働き方・暮らし方を考えて自在に行動すべきだ」と私は考えています。



◆◆◆◆◆

確かに年齢とともに自在に考えることも自在に行動することもできる範囲が限られてきます。今までは平均的な生活、平均以上の生活が理想でした。定年後にも同じことを求めていたかもしれません。
これからは平均的、平均以上、皆が同じ生活ではなく、個人個人に合った生活を求めることが必要なのではないでしょうか。

次回は「その無備を攻め、その不意に出ず」という始計編に学んでみたいと思います。




このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ