人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生後半戦は下り坂です。体の体力、頭の能力(脳力)、心の気力という3つの力が弱くなってきます。また、人生後半戦を迎えるまでに人それぞれの歴史がありますので、50代60代で置かれている環境も状況も違います。と言ってしまえば・・



★平等と公平という社会システムの中で


平等から公平へ

小学生の頃、同じクラスには、頭の良い子もいれば、足の速い子も、絵が上手な子もいました。得意なことがなくても皆が「平等」で、同じ授業を受けていたわけです。それが高学年、中学校になるにつれて、「順番」を基準にした「公平」に変わってきました。さらに高校、大学、社会人と大人になるにつれて公平感が強くなってきたと思います。

平等と公平の違い

「平等」と「公平」の意味を考えながら、50代と60代の働き方を説明しようとしているのではありません。「平等」とは順番を考慮に入れずに万人が同じ機会を得ることです。「公平」はなんらかの順番を考慮してそれぞれに応じた機会を得ることです。50代と60代の違いではなく、社会システムが「平等」と「公平」によって構成されていることをまず理解しなければなりません。

社会システムによる違い

例えば、年金が65歳から支給されるのが「平等」で、支給額は人それぞれで異なるというのが「公平」です。人生後半戦のスタート地点が何歳から始まるかは人それぞれ異なります。それは人生後半戦を迎えるまでに、どのような社会システムの下で働いてきたかにもよるのです。では、なんでもかんでも社会システムによって決められてきたかというと、そうとも言い切れません。

集団主義と個々人の課題

「超高齢社会」「働き方改革」と盛んに言われていますが、これは社会システムの問題ではなく、本質的には個々人の問題です。日本という国、そして日本人は集団主義が好きなので、高齢になることも働き方も自分の問題としてではなく社会システムの問題として考えがちです。これからのの50代60代は、現行の社会システムの下で、集団主義ではない個々人の課題として働き方を考えるべきだと思います。




50代から60代に変わるときに劇的な変化が


50代60代の働き方

50代60代ではどのように働き方が変化しているかを国勢調査から表したグラフがあります。「年齢階層別就業地位区分をグラフ化してみる(2017年):ガベージニュース」によると、男性は55-59歳から60-64歳、60-64歳から65歳以上にかけて正規職員が激減している一方で、雇人のある業主・雇人のない業種が激増しています。女性は同じ期間でパート・アルバイト人数に変化はあるものの、雇人のない業種と家族従業員の人数が増加しています。

新おとな学

50代の働き方は組織志向

50代では男性が約7割以上が正規職員で、女性は約8割以上が正規職員かパート・アルバイトとして働いています。雇人のある・なしを含めて50代は約1割強が個人事業として働いています。50代では組織で働いている人が多く、社会システムも働き方に対する考え方も組織中心の考え方をしている人が多いと思われます。50代の働き方の中心的考え方である組織志向のまま60代の働き方を迎えるとギャップが大きくなります。

60代の働き方は個人志向

60代前半の男性では、正規職員の割合が50代の約7割から5割以下までに減少し、さらに60代後半ではさらに減少していると予測できます。女性においても60代以降は正規職員が激減し、パート・アルバイトに働き方を変えている傾向が見られます。

一方で、雇人のある・なしの個人事業が男性が60代前半で約2割、60代後半以降は約4割と大幅な増加をしています。女性の特徴としては家族従業者として働く傾向が強くなっていることがわかります。男性は個人事業へ、女性は個人事業の家族従業者となり、ファミリービジネスが増えていると予測できます。

50代60代の働き方シフト

50代から60代にかけては組織志向から個人志向へと働き方のシフトが起こっています。男性は30代では8割の人が正規職員で働いていますが、65代後半以降は2割を切っています。女性においては20代後半で6割以上だった正規職員も60代後半以降では約1割となっています。50代までは組織という公平な考え方で働いてきましたが、60代以降は一度リセットされて個人で働くという平等な考え方で働き方を考えなければならないのです。


何を行うべきなのか、何を考えるべきなのか


50代で何を行うべきか

50代では、60代から働き方が変わる、働き方を変えなければならないという現実を踏まえて、社会全体で運用されている社会システムを学ぶことが必要です。労働者の権利としての労働制度(雇用制度)、労働保険(労災保険・雇用保険)、医療保険制度、年金制度などなど、現状の社会システムについて所属する組織内外で学ぶことが必要です。「公平」というのは学ぶ人は学ぶ、学ばない人は学ばないままということなのです。

60代で何を行うべきか

60代になると働き方を変えることは現実味を帯びてきます。正規職員以外の働き方は、60代前半ではパート・アルバイトという働き方に変えるのか、それとも個人事業として働くのか、女性の場合はさらに家族従業者として働くのかという選択もあります。実際には60歳になって初めて考えるようでは遅く、50代後半から考え始めておくべきでしょう。

何を考えればよいのか

50代から60代にかけて「何を考えればよのか」ということは、冒頭にも書いたように個人個人で環境や状況が異なるので、一元的な「これさえ考えればよい」という模範解答はありません。個人個人で考えなければならないのです。だだ「何を考えればよいのか」ということではなく「どのように考えればよいのか」ということは示すことはできます。

自分を客観視すること

「自分を客観視すること」とは特別な方法がある訳ではありません。自分の行動、考えていること、人間関係、モノやカネを記録して書き表すというのが一般的な手法です。このように書きだしたことを、読み直しながら自分を見つめ直す方法です。本では、心理学、コーチング、セルフマネジメントの本などがあります。どれが適しているかは試してみるしかありません。私は、行動記録だけはGoogleカレンダーに書き留めています。時間配分が自分を客観視できる要素と考えています。




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人生後半戦になって、50代から60代にかけての働き方、特に収入源について考えることが多くなっていると思います。収入源さえ確保できれば働かなくて良いのかというと、「収入のためには働く必要がない」と考えた方が良いでしょう。

50代60代の働き方は組織志向から個人志向へ変わると書きましたが、もう1つの志向があります。働かないという志向です。労働力人口とは働く意思のある人の人口ですが、働く意思のない人・なんらかの理由で働くことができない人を非労働力人口と言います。自分から進んで非労働力人口になるという志向もアリだと思います。

働くということは、お金があるから働かないというのは「公平」な考え方です。お金があってもなくても「働かない」というのは「平等」な考え方です。人生後半戦において「公平」な働き方を行うか、「平等」な働き方をするかは、自分次第です。ただし今のところ社会システムは、人生後半戦においても「公平」に構築されていることは忘れないでください。どこまでも「勤労の権利と義務」が追いかけてくるのですから。

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ドラッカー本の中でセルフマネジメントについては、「経営者の条件」「プロフェッショナルの条件」がおすすめですが、読みやすさからいえばこの本もおもしろいです。





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