人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生後半戦は下り坂です。なかでも体力は否が応でも落ちてきます。
では体力とは何を意味するのでしょうか。また老化は加齢の違いは何でしょうか。健康との関係はどのように考えればよいのでしょうか。



加齢で身体機能が落ちると健康状態が良くないと感じる


2016年の健康寿命

まず人生後半戦の終着点である「寿命」と、健康上の理由で日常の生活が制限される「健康寿命」について確認してみましょう。2016年は下記のようになります。
  • 健康寿命 男性 72.14歳 女性 74.79歳
  • 平均寿命 男性 80.98歳 女性 87.14歳
  • 上記の差 男性 08.84歳 女性 12.35歳
男女共に70代前半には健康に対する不安を感じるのではないでしょうか。
厚生労働省は9日、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。前回(13年時点)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延びた。平均寿命との差も男女とも縮小した。厚労省は食生活の改善などが寄与していると分析している。(2018/3/9 日本経済新聞

病気か、加齢か

日常の生活が制限される健康上の理由とは何でしょうか。日常の生活は人それぞれで違うので、制限に対する感じ方も異なります。人生後半戦になって、以前と比べてなにか違うと感じた時、その理由を病気や加齢によるものだと考えてしまいます。ただ病気も加齢も人生後半戦になったから生じるものではありません。

古くなれば傷みやすい

人生後半戦になる頃には、体の機能は徐々に落ちてきます。古くなれば傷みやすい、これは物理的なことですので、修理するか交換するしかないのです。人間の場合は、治療と患部の除去か人工臓器などへの交換が考えられます。他にも自然治癒や自己再生も考えられますが一般的ではありません。

健康状態が良くない

健康に対する考え方が人それぞれで違う以上、以前と比較して健康状態が良くないと感じるのは自分でしかわかりません。では自分で気づくのはどのような時でしょう。患部が痛い、吐き気がする、熱があるなどは明らかに病気の症状ですが、それ以外にもあります。疲れが取れない、動きが鈍い、頭が働かない、気持ちが落ち着かないなどです。




「健康」とは体調と体力の状態が良いこと


健康と体調

「健康」とは、体の状態に違和感が感じられない状態を指します。つまり「健康」と言うよりも「健康状態」と言ったほうが適切なのかもしれません。「健康状態」が良いとは「体調が良い」ということになります。「体調」とは「体」の調子であり、これまた「調子」は人によって感じ方が違うという堂々巡りになってしまいます。

基準を持つ

健康に関する話題は老若男女、時代を問わず関心があることです。にもかかわらず、積極的に健康に注意している、体調の管理に気を付けている人が少ないのは、自分の健康に対する基準が曖昧だからです。できれば数字で表すことができる健康の基準を持ち変動に注意することが大切で、例えば体重・血圧などは簡単に計ることができます。

体力という基準

「体調」は体の状態のみならず、「体力」の状態を指すこともあります。「体力」には、「運動をするための体力」と「健康に生活するための体力」があります。前者は筋力・持久力・瞬発力などの身体能力を指し、後者は健康を維持し病気にならないようにする抵抗力を指します。前者だけ、後者だけという体力に注意するのではなく、両方に注意を払わなければなりません。

参考:体力の意義と求められる体力(文部科学省)

体調不良と病気

健康状態が良いということは体調が良いということで、体調が悪くなると病気にかかりやすくなります。また病気も軽度の病気から重度の病気までさまざまな症状があります。自分にとっては少し体調が悪いくらいだと思っても、病気の始まりかもしれません。だからといってなんでもかんでも病院へ駆け込む必要もありません。

新おとな学

老化は加齢の一部だが、老化は病気と重複する


行動体力と防衛体力 

人生後半戦になると身体能力という「行動体力」が落ちます。身体能力が落ちると病気に対する抵抗力である「防衛体力」も落ちてきます。つまり年を取るにつれて病気になりやすくなるのです。行動体力が落ちないようにするために運動を欠かさないことは良いことですが、同時に防衛体力も落とさないようにすることが大切です。防衛体力が落ちて行動体力が落ちることもあるのです。

参考:加齢と体力の変化(健康長寿ネット)


ロコモとフレイル

「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」は、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を言います。また「フレイル」とは、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれます。両方とも加齢による運動障害を表す用語です。人生後半戦で心がけなければならないのは、このような知識レベルでの抗加齢対策です。

参考:ロコモとは(ロコモチャレンジ)
参考:フレイルとは(健康長寿ネット)

加齢と病気

加齢による症状と病気による症状はは重複するところがあり、その原因がどこにあるかを見極めるには医学の力が必要になります。日本抗加齢学会日本老年医学会http://jshhe.com/gaiyou/index.htmなどの複数の学会やこの他にも多くの研究機関があり「加齢と疾病と健康」の関係が研究されています。素人にはよくわかりません。素人でも大切なことは「加齢という事実は誰にでも当てはまり、病気にかかりやすくなる」ということを忘れてはならないということです。




◆◆◆◆◆

人生後半戦を感じ始めるのは「何歳から」という年齢ではなく、心身の健康状態の変調によることが多いと思います。そしてこの変調に気づく人と、気づかないふりをしている人、本当に気づかない人がいます。冒頭の健康寿命とは、70歳代前半には誰もが気づくという年齢なのです。

そして、70歳代前半になってから考えるのではなく、人生後半戦が始まった時から視野に入れなければならないことです。人生後半戦の働き方、暮らし方を考えるには、自分の健康状態を省みず蔑ろにするようであってはいけません。人生後半戦、特に50代60代の過ごし方が、その後の老後人生をどう生きるかに関わってくるのです。

何歳になってからでも遅すぎることはありません。その時のベスト、最善の方法で最良の健康状態を目指すしかないのです。
人生後半戦の健康にベストはありません。ベターであることが望ましいのです。




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