人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生にいくつかの節目がるように、人生後半戦にも大きな節目があります。この節目を「イベント」、イベントの間の期間を「ステージ」とこのブログでは読んでいます。今回は退職イベントと引退ステージについて考えてみたいと思います。



3つのステージと4つのイベントという考え方


ステージとイベント

人生後半戦のイベントとステージの考え方は下記のとおりです。
人生後半戦ステージ
図:人生後半戦のステージとイベント(▼印) 

人生後半戦スタート 

人生後半戦のスタートを40代で設定する人もいれば定年退職時期に設定する人もいます。現在の40代は労働力人口の中核になりますので人生の後半戦を意識するよりも、中盤戦と考えた方が頼もしく思えます。定年退職時期まで人生後半戦を意識しないのは遅すぎます。人生後半戦が始まってから作戦を練ったのでは行き当たりばったりになってしまいます。

定年退職イベント

定年退職制度がある組織で働いている人と制度がない場合とでは考え方も変わってきます。近年では雇用延長制度を取り入れて実質的な定年年齢の延長を行う組織が増えています。なかには定年そのものを廃止する企業もあります。多くは65歳定年か定年廃止に向けて定年制度の変更を行っている過渡期となっています。多かれ少なかれ仕事の仕方が変わる年齢として60代前半に定年退職というイベントがあります。

引退ステージ

定年退職後は引退ステージとなります。後述しますが、定年退職は一定の年齢で転職・転属・再就職があるということで、実際には定年退職後もなんらかの形で収入目的で働いている人が多いご時世です。定年制度はもはや古い体制の制度でしかなくなっています。自主退職を勧める退職勧奨がパワハラと言われる時代ですので、当面は過渡期として考えることになります。

健康寿命イベント

「健康寿命」とは「平均寿命から日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間を除いた期間が健康寿命になる」とWHOが2000年に提唱を元に使われるようになりました。つまり世界各国共通ということです。日本の場合は介護認定がされるかがどうかが現実的な健康寿命と考えられると思います。働いてはいけないのではなく、生活を重視するために働くことに制限があると考えたほうが適切だと思います。

参考:2016年健康寿命は延びたが、平均寿命との差は縮まっていない
(ハフィントンポスト)




人生後半戦は働き方と暮らし方、〇〇の使い方が変わる


いつから考えるべきか

引退ステージは定年退職を機に考えることではありません。定年退職以前、できれば5年前には考え始めたいものです。また定年がない働き方をしている場合は、健康寿命まで現役ステージを継続するのではなく、事業の継承について考え始めなければならない時期があります。やはり継承する5年前くらいから考えるべきだと思います。いずれも考えてから行動に移すまでの期間は必要になりますので、自分の状況や環境に合った時期から考え始めなければなりません。

働き方が変わる

引退ステージでは働き方が変わります。定年年齢前から退職勧奨があったり部署異動などの転属があります。それから雇用延長制度によって働くことになりますが、給与・勤務時間などの就業条件が変わります。特に年金受給年齢になると年金を受給しながら働く在職老齢年金制度について注意が必要です。また年金受給年齢の繰り下げ・繰り上げについても理解しておかなければなりません。 退職制度がない場合は、定年退職金がないということですから、より長期に渡っての資産形成と働く期間についての計画が必要になります。

参考:在職老齢年金の支給停止の仕組み(日本年金機構)
参考:年金の繰上げ・繰下げ受給(日本年金機構)

暮らし方が変わる

働き方が変わることによって、健康保険・介護保険・年金の扱いも変わります。働き方は主に収入に影響がありますが、暮らし方は支出に影響してきます。夫婦で暮らしているならば、夫が収入、妻が支出を管理するという暗黙の家計管理をしているときには、これを機にオープンな管理方法を取るべきです。退職制度がない場合は大きな違いはありませんが、資産の管理や運用については退職金がないので注意を怠らないようにすべきです。

参考:定年退職後の健康保険、どうするのが正解?(マネラボ)

時間の使い方が変わる

働き方と暮らし方の変化で、最も違いを感じるのが時間の使い方です。定年退職の後では働いている時間が少なくなるからです。増えた時間を、どこで、誰と、何に使うかを考えなければなりません。もし「家で、ひとりで、なにもしない」と考えているのであれば、人生後半戦を無為無策に過ごすことになり無駄に時間を使ってしまいます。人生後半戦は時間に限りがあるので、このような使い方をしてばかりはいられません。定年退職後の男性が陥る帰宅拒否症候群になってしまったり、または家族が主人在宅ストレス症候群になってしまいます。

人生後半戦を悲観的に考えずに楽観的に考えるには


健康的な暮らし方に切り替える

60代で迎える引退ステージでは働き方と暮らし方が変化する以上に、自分の体調の変化に気が付きます。体力がなくなった、容姿容貌が老けてきたという見かけの変化だけではなく、その原因は抵抗力や回復力が衰えてきたことに他なりません。まずは現状を知るために毎日の健康状態を数値で把握することと、定期的な健康診断と精密検査を受けることをお勧めします。その結果に基づいて「栄養・運動・休養」という観点から計画を練ってみることです。

シンプルな暮らし方に切り替える

シンプルな暮らし方とはいわゆる断捨離作業です。これから必要なモノとコトを少なくすることです。モノとコトへの関わり方を少なくすることで、自分との関わり方を増やすという作業でもあります。例えば、今まで着ていなかった服があり、これからも着ないのであればリサイクルに出すか廃棄処分します。その代わりにこれから着る服を買い足します。スーツ5着をリサイクルに出し、スポーツウェアを2セット買うというようにします。

終活ではなく認知症対策をする

「終活」とは自分が旅立った後に残された人が困らないようにするための身辺整理と意向を伝えることです。「終活」の他にも生前整理、老前整理などという言い方もありますが、本意を考えれば毎日が終活となります。引退ステージに限ると自分が認知症になった時の対策を始めることをお勧めします。認知症は急激にならずに徐々に進行しますので、生活習慣病と同じように発症してから気づくことが多いのです。遺言ではなく自分で判断できなくなったときにどうして欲しいかの意向を示しておくということです。

楽しく暮らすための計画を練る

人生込半銭は下り坂です。万が一のことを考えながら計画を練ることも必要ですし、「安心・安全・安定」が保たれた人生後半戦を送るためには多方面にわたって知識が必要となります。その一方で「万が一」の残りの「九千九百九十九」のことも考えることも必要です。悲観的なことばかり考えることと同時に、何も起こらなかった時にどうするかということも楽観的に考えることも大切です。例えば、癌になることが万が一のことなのか、五分五分のことなのかを判断するのは自分自身です。楽しく暮らすことを考えることで、残りの「万が一」も考えられるのではないでしょうか。




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人生後半戦の定年退職というイベントは、年齢で生活属性を変えるという区別ですが、差別制度と言ってもおかしくないと感じています。成人式と同じで誰もが平等に年齢で決められるのです。実態は退職ではなく雇用条件や所属を変えることも含めての転職なのです。

人口構成がピラミッド型からファネル型(漏斗状)に変化してきています。成人式は大人が若年層に対して上から目線で決めた制度、定年退職は老年層が大人に対して上から目線で決めた制度だとも言えます。つまり人口構成は変わらないという保守的な考え方がもとになっています。 保守的な考え方を改める時期がやってきたのです。

人生後半戦には定年退職というイベントがあります。これは働き方に関するイベントであり、人生のイベントではありません。もし人生にも定年という考え方があるのなら皆同じ寿命になるでしょう。
人生には定年はないのです。終わり良ければすべて善しだと私は信じています。




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