人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生後半戦はどのようにして始まるのでしょうか。人生後半戦は自分の意志で始めることには違いありませんが、社会制度によっても変わります。現在の社会制度は昭和後期に作られました。昭和40年代から昭和50年代です。西暦にすると1965年頃から1985年頃です。



人口構成は変わっても社会制度は変わらず


1960年代から1980年代

現在の社会制度の多くは1965年から1985年と考えるよりも1960年代から1980年代には既に大人になっていた人たちによって作られました。社会制度は法律・政治・国の仕組みだけではなく、生活様式や文化など多くの慣習を含みます。

この時代の大人に責任があるというのではなく、社会制度が作られた作られた時代背景を人口構成から考えることができます。人口構成は明らかに違います。

新おとな学入門



ピラミッド型とファネル型

人口構成はピラミッド型から二重のファネル型(漏斗状)に変わっています。これから人口が増えるだろうと予測した社会制度が現在の人口構成に合うはずがありません。

では社会制度を変えるとすると、当然のことながら現在の大人が担うことになります。20代から60代の人口を見ると、いわゆる団塊の世代と団塊ジュニアの世代という2つの世代が中心になります。

未来の人口予測はどうなるのでしょうか。

50年後の人口構成

2060年の人口予測は依然として若年層の人口が減り続け、いっそうファネル型になっています。現在の大人世代が社会制度を変えるときには現状の問題点を中心に考えることが多いのですが、それが50年後の社会と合うかというと必ずしもそうとは言えません。

現在の少子高齢化問題はまだマシとも言えますし、50年後のことを考えても仕方ないとも言えます。さらにAIの力を持ってすれば、日本国内の事情だけでなく世界の人口構成を踏まえて予測することも可能になるでしょう。

新おとな学入門2



平均寿命はどうなるのか

人口構成を見ると少子高齢化が続くように思えますが、少子高齢化になる原因の1つに平均寿命が伸びていることがあります。平均寿命の推移を見ると、1990年迄の伸び方と2010年以降の伸び方に大きな違いがあるのがわかります。

このことからも人口構成はさらに顕著なファネル型になってくると予測できます。1960年代から1980年代にかけては急激な人口増加に対応するように社会制度が作られました。人口の増加と平均寿命の伸びは1960年代から1980年代にかけてはプラスに働き、 劇的な経済成長を遂げることができましが。

平均寿命推移




65歳以上の人口の増加は経済力の増大につはつながらない


人口構成の変化と経済力

ピラミッド型の人口構成が成り立つということは人口増を意味し、経済の成長に必要な生産年齢人口の増加も維持されてきました。昭和35年(1960)から平成2年(1990)年までのGDPの推移は凄まじいものがあります。このようなGDPの推移になったのは、人口増だけではなく世界経済などの外的要因や機械化と自動化による国内での要因がありました。

新おとな学入門3
(※「データは、内閣府国民経済計算、財務省統計局より参照」だそうです)


定年年齢と平均寿命

1960年代から1980年代にかけては一般的に定年年齢は55歳でした。1970年には男性の平均寿命は65歳、定年から平均寿命までの余生期間が10年間という短い期間だったのです。1970年では平均寿命が70歳となり余生期間が15年間となりました。

定年年齢が1986年から1994年にかけて60歳に引き上げられた時の平均寿命が76歳(1990年)、余生期間は16年間です。2013年に施行された65歳までの雇用延長制度の頃には男性の平均寿命は80歳、余生期間は15年間です。
  • 定年年齢 1970年 55歳 1990年 60歳 2015年 65歳
  • 平均寿命 1970年 70歳 1990年 76歳 2015年 80歳
  • 余生期間 1970年 15年 1990年 16年 2015年 15年

65歳以上の人口の増加 

上記のように比較してみると定年から平均寿命までの期間に大きな違いはありません。定年後の余生期間が長くなったと考えることはないということです。大きな違いは65歳以上の人口です。1970年と2016年を比較しても見るからに違いが分かります。

15歳から65歳未満の生産年齢人口と65歳以上の比率を比較するとよりはっきりとわかります。少子高齢化の問題は、生産年齢人口が減少することで日本経済が下降する恐れがあるにもかかわらず、生産年齢人口に参入できない高齢世代の人口比率が増えていることなのです。
  • 1970年 9.8人 1958年 6.6人 2016年 2.2人
  • 2020年 2.0人 2040年 1.5人 2060年 1.4人
高齢者人口


経済力を維持するには

生産年齢人口と労働力人口の使い方には、統計調査によって少しずつ違いがあります。生産年齢人口とは15歳以上65歳未満の人口を指します。これに対し労働力人口とは15歳以上の労働意思があり労働可能な人口を指します。

経済力を維持するには生産年齢人口の上限をなくして働く機会を増やし、また労働力人口の労働可能で労働意志がある対象者に働く機会を増やすことが考えられます。まさに「生産性革命」そのものです。

労働力・生産年齢
生産年齢人口と労働力人口の関係




◆◆◆◆◆

「人生100年時代」が訪れてリタイア後の期間が長くなったように感じますが、定年年齢から平均寿命までの余生期間は大きくは変わっていません。現在の社会制度の基盤ができた1960年代から1980年代の65歳以上の人口構成と現在の65歳以上の人口構成が大きく変わっていることに原因があるのです。

人口構成が大きく変わっているにもかかわらず、過去の社会制度にしがみついていても経済力を増強させることも維持することもできないのです。新しい人口構成には新しい社会制度が必要です。経済力を維持できなければ国の社会インフラも維持できません。穴だらけの道路、停電が頻繁に起こる社会を受け入れられるでしょうか。

社会制度を変えるのは政治だけが行うのでもなく、産業も企業も、個人の生活も変えなければなりません。労働力の中心となる30代から40代にかけての年代だけが社会制度を変えるのではなく、50代以上こそが社会制度を変えるように努力しなければならないのです。そのためには「仕事と働き方」「生活と暮らし方」の2つから変えることが必要だと考えています。

「ニューシニア講座-9」では、人生後半戦に何をしなければならないかを考えてみます。




このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ