人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


前々回のマンダラチャートの記事に沿って「人生後半戦」を8つに分けて考えてみることにしました。上質・良質のデザインは普遍的であることが望まれ、時代を越えたデザインとして認められます。
リデザインとは一度デザインされたものを残しながら、時代に合った最適のデザインへ変えることを意味します・。今回から人生後半戦のリデザインについて考えていきます。


50代60代になったら人生後半戦のリデザインを考える


時代とともに考え方も変わる

人生後半戦を迎えるまでに私たちは、自分が生まれた時代、学校教育を受けた時代、社会人として働いてきた時代、それぞれの時代を生きてきました。時代が変わるのと同じように自分自身の考え方も変わってきたと思います。

20歳の時に考えた将来と40歳で経験した現実との違い、そして40歳に考えた将来と現在の違いも時代の流れとして感慨深く思い出すことができます。

人生後半戦を8つに分けて考える

人生100年時代といわれる時代になって、残りの人生後半戦をどのように生きたいかを考えることができるのは自分しかいません。「生きたい」というのは願望で、これを計画を立て実行していくのが「ライフタイムデザイン」です。

「リデザイン」とは「ライフタイムデザイン」を時代に合わせてさらに最適化することです。人生後半戦の「リデザイン」を8つに分けて考えてみます。

8つのリデザインとは

「ワークライフバランス」への取り組みが政府主導で行われているように、「仕事」と「生活」のリデザインは欠かせません。そして現実的な「お金」と「健康」の問題があります。これら4つの項目がリデザインの基礎になります。

自分の外側に目を向けると、身近な「家族関係」と家族以外の「人間関係」があり、また社会とのつながりとしての「社会貢献」があります。 自分の内側に目を向けると、好きなこと・やりたいことという「自己実現」がリデザインの対象となります。



人生後半戦の時代はどのように変わっていくのか


仕事はどう変わるか

仕事は職業と働き方の2つに分けて考えます。科学と技術の進歩は働き方を変えるだけではなく、職業も変えてしまします。今まであった職業がなくなったり、今までなかった職業が生まれてきています。

AIやロボットに仕事が奪われると考える人もいますが、AIやロボットが人間の代わりに仕事が可能になるように、人は科学と技術の進歩に取り組んできたのです。仕事はAIやロボットに依存することが多くなり、仕事の起点は組織ではなく個人になっていきます。 

生活はどう変わるか

仕事の目的は生活の向上ですので、職業と働き方が変われば生活も変わります。家庭内の家事もAIやロボットによって代替されることが多くなります。

生活に必要なものは買い物に出かけるのではなく、eコマース・通販・宅配によって調達します。外出する機会が少なくなるだけでなく、仕事も在宅ワークが可能になり通勤もなくなります。

お金はどう変わるか

収入と支出、貯蓄と投資という基本的な考え方は変わりませんが、現金という意味でのお金はなくなります。価値の交換を行う媒体としてのお金ではなく、評価の基準となる数字としてのお金になります。

お金は流通するモノではなく、貯蓄するモノでもなくなります。投資も直接投資が主になるかもしれません。 国家が管理する貨幣という現金から、当事者同士が共通の価値媒体を交換することも可能になるでしょう。

健康はどう変わるか

科学と技術の進歩の1つに医療の進歩もあります。生死をコントロールすることも可能になるかどうかは倫理上の考え方がありますが、民族や国家という単位で考えると世界のどこかでは可能になるでしょう。

生活の向上のための仕事は、医療のQOLという考え方に近くなります。その結果、健康長寿であることが尊ばれる時代から健康長寿が当たり前の時代になり、心身の健康であることが人生の目的となるでしょう。

家族関係はどう変わるか

現在の家族という単位ではなく、共同体という単位に変わります。固定的な共同体ではなく、年齢と共に自ら所属する共同体を選ぶようになります。

血縁は生物学上、倫理上の人間の尊厳を保つために残ると思いますが、現在の家族という単位の共同体は減少の一途をたどります。限りなく個人という単位にに近づきます、精神的・心理的つながりは共感・シンパシーとして失われることはありません。

人間関係はどう変わるか

今までは対面でコミュニケーションを取ることがベストとされてきました。通信・情報技術が進歩することによって、対面であることは必要なくなります。

仮想世界と現実世界の境界が近くなり、生活や家族でも述べたように直接コミュニケーションを必要としなくなります。家族でさえ個人単位になりつつあるのですから、家族以外の人との人間関係は間接的な人間関係が多くなっていきます。

社会貢献はどう変わるのか

社会貢献は無償でボランティアを行うという考え方が主流ですが、この考え方はやがてなくなります。お金を払って社会貢献を行うという考え方、現在は北欧などで行われている高額税制・高度福祉という社会貢献の考え方に変わってきます。

一方で災害や犯罪・事故などには予防措置が積極的に取られ、プライバシー情報の管理は個人から専門機関に移ると予想されます。プライバシーの侵害と捉えるか、プライバシーを提供しなければ災害や犯罪・事故から守られなくなるでしょう。

自己実現はどう変わるか

自分がどのように考え、どのように行動したいかという思考と行動の論理を自己実現と考えると、専門的な知識を大量に得た人だけが自己実現が可能になります。そのために体の中にAI・ロボット・センサーなどの機能を埋め込む人も出てくるでしょう。

ある程度の自己実現は知識を得ることで可能になり、行動は他の人かAIやロボットに任せるかもしれません。自己実現は自分の意志と思考だけではなく、知識の量と知恵の組み合わせで実現できるようになります。



人生後半戦のリデザインをどのように行うか


人生後半戦の仕事(職業)と働き方

現在すでに人生後半戦に入っている人は仕事(職業)と働き方を2つのパターンから選ぶことになります。1つめは人間でしかできない仕事を行うという未来に逆行した職業と働き方を選ぶパターンで、2つめは未来を予測してAIやロボットと共存して個人で可能な職業と働き方を選ぶパターンに分かれます。

少子高齢化社会では前者のパターンが、人口減少化社会では後者のパターンの仕事と働き方が中心になると考えてリデザインをします。 現在の人口構成はこの2つのパターンが同時に起きている過渡期となています。この時代を乗り切るには50代60代が率先して後者のパターンに取り組むことが必要です。

人間でしかできない仕事

人間でしかできない仕事は、未来もなくならない仕事と考えられがちですが、仕事の内容も働き方も変わります。例えば、医療関係の仕事は未来もなくならないと考えられています。医師の仕事は過去の症例から、患者の症状と照合し、的確な判断を行って、適切な治療を行うことです。

これらをひとりの医師で行うには優秀の頭脳が必要でした。今ではチーム医療となり分業化され、難易度の高い症例に対する高度な治療が可能になっています。過去の症例との照合はAIで、適切な治療はロボットで行うことも可能になります。医師という職業は残っても仕事の内容と働き方は変わるのです。過去の医師と未来の医師は異なるのです。 

マニュアル・インダストリー

人間でしかできない仕事は、手作業の仕事(マニュアル・インダストリー)に限られるでしょう。伝統的な産業は人間でしかできないのではなく、その産業で仕事をしている人がAIやコンピューターに自分の技術や経験を積極的に移植することを歓迎しません。その結果、伝統技術が失われるという事態になっていることが目立ってきています。

人生後半戦の仕事と働き方は手作業の仕事を選ぶことが多くなると思います。手作業の仕事は労働環境が必ずしも良いとは言えません。人生後半戦を迎えた人の体力・知力・気力に応じた仕事を選ぶことになりますが、実際の選択範囲は多くないでしょう。清掃・警備・調理・介護・接客・単純作業などの仕事と働き方が多くなっているのが現実です。

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今回は、人生後半戦のリデザインという考え方と、人生後半戦に時代がどのように変わっていくかを予想してみました。項目別のリデザインの話については「仕事」だけにとどまってしまいまいた。次回も人生後半戦のリデザインについて、引き続き考えていきたいと思います。





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