人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


前回に引き続き、人間関係を「家族・知人・その他の人々」に分けて考えています。今回は「知人」について考えてみます。人生後半戦になるまでに多くの知人ができたと思いますが、人生後半戦は少なくなる一方です。よりよい人間関係を続けるためにはどのように考えればよいのでしょうか。


友人と知人との違いは自己防衛本能だった


夫婦は他人か

夫婦は家族ですが血のつながりはありません。血のつながりのある家族とは親と子供、祖父母と孫くらいまででしょうか。夫婦の関係は愛情で結ばれています。男女の愛情とは別に家族愛という愛情です。家族愛のない血縁者は「知人」と考えます。

知人は友人か

友情は愛情の一種かもしれませんが、男女愛や家族愛とは異なります。顔と名前が一致するだけでは友人とはなりません。普通は長い時間をかけて友情が芽生えるのですが、ひとめぼれ、意気投合などと最初の出会いで友情が芽生えることもあります。なおかつ双方に友情がなければ友人とは言えません。友情のない知人は友人でなく、たとえ血縁者であっても知人でしかないのです。

職場や学校などでの知り合いからカジュアルな友達になるためには50時間、そこから友達になるためには80~100時間、友達から親友になるには通常200時間共に時間を過ごす必要があるとのこと。また一緒に過ごす時間の使い方も大切で、世間話などの雑談や、物理的な意味で「そばにいる」ことは特に重要
(カンザス大学のJeffrey Hall博士らの研究)


知人は他人か

「知人」とは顔と名前が一致して、一度は直接会話をしたことがあり、互いにその存在を認識している人です。「知人」とは多くの場合は共通する社会・集団に所属しています。地域・会社・学校・血縁などの集団です。また時間的にも一度知人として認識すると長い間知人関係にになります。

人間関係の分類

家族・友人・知人と定義づけをして人間関係を分類することに意味はありません。知らず知らずのうちに自分の中で人間関係の段階を設けているはずです。友人と知人の境界は友情だと書きましたが、友情も人によって考え方が違います。人間関係に段階を作るのは自己防衛本能であり、コミュニケーション方法も異なります。




人間関係には好き嫌いと損得があるのか


好き嫌いという人間関係

人間関係には「好き嫌い」という感情がともないます。好きな人とは人間関係を持つことを厭わなくても、嫌いな人とは人間関係を続けたいとは思いません。ただ好き嫌いだけではなく「損得」で人間関係を考える人もいます。この違いを気付かずに人間関係を続けていると、いつのまにか自分は友人だと思っていた人が、相手にとっては都合の良い人になってしまうのです。

学生時代の人間関係は好き嫌い

学生時代の人間関係は同じ時間を共有することが多く「好き嫌い」で人間関係を作ってきました。仕事をするようになると学生時代の延長で「好き嫌い」で人間関係を作ろうと思っても優先されるのは「損得」です。仕事を辞めると人間関係が少なくなるのは「損得」で考えているからです。同窓会なので安心感を感じる人は「損得」で考える人間関係から解放されるからです。

時間の経過で変わる人間関係

人間は時間が経てば考え方も変わります。しばらく会っていなかった人に対して変わったように感じるのは、その容貌の変化もありますが、ほとんどが「好き嫌い」の変化です。相手だけが変わったのではなく自分も変わったことにはなかなか気づきません。人間関係は自分を中心にして考えているいも関わらず、「好き嫌い」という関係性だけを先入観として持つからです。

人生後半戦の人間関係を変える

人生後半戦は人間関係の中で生きていくことになります。高齢になってからの「不安3K」とは「経済・健康・人間関係」または「お金・介護・孤独」と言われます。なぜ高齢になると「孤独」が不安の要素になるのでしょうか。「孤独」とは独りで居る状態であり「孤立」とは違います。「孤立」とは関係性を持たなない状態です。前述の好き嫌いと損得、孤独と孤立の違いを踏まえて人生後半戦の人間関係を変えることが必要になります。

新おとな学_3


コミュニケーションの変化とコミュニティへの変化


コミュニケーション方法の変化

かつては対面でのコミュニケーションが行えない場合には手紙や電話が主流でした。現在では手紙や電話という媒体の他にも、通信技術の発達により文字・動画などもリアルタイム・コミュニケーションの方法として使われています。むしろ文字・動画によるコミュニケーションが使えないときに手紙や電話を使うことが多くなっています。人生後半戦を迎えている人はまずこの時代環境を理解しなければなりません。

組織からコミュニティへの変化

個人と集団の在り方も変化しています。集団は個人の集まりであり、個人は集団の一部であるという考え方は今でも同じです。異なるのは集団を固定するのではなく、個人が複数の集団に属することも可能ですし、所属という固定ではなく参加という自由度の高い集団に変わってきているのです。強い集団をつくるには組織化が必要でしたが、現在ではむしろ変化に対応しやすいコミュニティ化が進んでいるのです。

人間関係に及ぼす変化

コミュニケーション方法の変化により、共有する時間が長ければ人間関係を深めることができた時代から、時間に関係なく共有する目的・目標が同じであれば人間関係を深める時代に変わってきました。また、出身や所属などの固定的なキャリアで人間関係を作るのではなく、現在の状態に合わせた自由度の高い人間関係の作り方に変わっています。集団ではなく個人の時代に向かっているので、所属ではなく関係を重視することが重要になっています。

人生後半戦の人間関係

では人生後半戦の人間関係をどのように変えていけばよいのでしょうか。まず自分が望む人間関係を考えるために、自分が所属している集団をリスト化してみます。リスト毎に「好き嫌い」で判断できる人を数人、「損得」で判断できる人を数人をリストに書き込みます。これを「人間関係マップ」として、コミュニケーションとコミュニティを自分中心に構成するとで人生後半戦の人間関係の変え方が見えてきます。




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人間関係の正解はありません。常に変わることに正解はないのです。もし「孤独」になることが不安であれば、「孤独」が不安なのか、「孤立」が不安なのかを考えてみてください。私自身は「孤独」は不安ではありませんが「孤立」は不安です。

「孤立」しないためには、時代にあったコミュニケーション方法を身につけることから始まります。コミュニケーション方法にはマナーも一緒に身につけることが大切です。方法だけを身につけてもマナーを身につけていなければ「孤立」することになりかねません。

自分が所属している集団を変えることも考えてみてください。例えば、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌など、知らず知らずのうちに視聴者・読者という集団に割り振られているのです。自由度の高いメディアは他にもありますので、メディアを変えることで集団からコミュニティ化へ一歩進むことができます。

人間関係は作ろうと思えば作れるし、作らないと思っても誰も止めることはできません。人間関係にこだわる人は自分がどうしたいかを明確にできないのではないかと感じることもあります。
アドラー心理学は読んだことありますか?、読んだことがなければ人生後半戦に向けて一読してみてはどうでしょうか。





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