人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


人生後半戦の最終イベントは葬式ではありません。葬式の後も生前に残した財産だけではなく、事務手続き・人間関係・地位名誉などまで引き継がれます。随筆家・作詞家の故・永六輔氏は「人って言うのは二度死ぬんだよ」と語っていたそうです。



考えなければならないのは自分の時間だけではない


二度死ぬとは

ある番組(たぶん「金スマ」)でフリーアナウンサーの古舘一郎氏が故・永六輔氏が残した言葉として紹介していました。
人って言うのは二度死ぬんだよ。
個体が潰えたら一度目の死。
そこから先、まだ生きているんだ。
死んでも、誰かが自分のことを思ってくれている。
誰かが、自分のことを記憶に残している、時折語ってくれる。
これがある限りは、生きている。
そして、この世界中で、誰一人として自分のことを覚えている人がいなくなったとき、二度目の死を迎えて人は死ぬんだよ。

自分の意志で時間を使う 

実際には生きている間しか自分の意志で時間を使うことができませんので、時間を使える期間は死ぬまでということになります。また、自分の意志で使うということを考えれば、認知症などを患わずに意志表示が明瞭な期間ですのでもっと短いかもしれません。

明日死ぬかのように 

自分の意志で「仕事・生活・お金・健康・人間関係」や「自分自身のこと」に関わる時間が持てるのはあとどのくらいと考えられるでしょうか。答えはありません。「明日死ぬかのように生きなさい」という名言もありますが、すぐに何かしければならないということではなく、イベント毎に考えることができます。
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。
Mahatma Gandhi (ガンジー)


50代60代のイベント 

50代60代のイベントには次のようなことが考えられます。
  • 自分自身の健康(病気・介護)
  • 家族の介護(両親・配偶者)
  • 家族の結婚(子供・自分)
  • 家族構成の変更
  • 仕事を定年退職
  • 退職後の仕事(転職・継続雇用・アルバイト)
  • 給与の減少
  • 退職金の使い道
  • 年金の受給
すべてを想定する必要はありませんが、現在と時間の使い方が変わりそうなことをピックアップして考えてみます。例えば両親の介護について考えてみましょう。




両親の介護を想定して時間の使い方を考えてみる


両親の生活を知る時間

両親との関係の良し悪し、兄弟姉妹の有る無しによっても変わりますが、両親の現在の健康状態を見極める必要があります。本人たちは健康であると言っても、実際に一緒に暮らしてみると身体的な衰えや認知力の衰えに気づくことがあります。別居している場合は下記のような時間を作る必要が出てきます。
  • 定期的に両親を訪問する
  • 両親の生活状況をヒアリングする
  • 両親の住まいの掃除を手伝う(衣替えの時期)
  • 休日に一緒に買い物に行く
  • 持病がある場合は一緒に病院へ行く
  • 高齢者定期健診に一緒に行く

介護の予兆を知る 

50代60代の時間の使い方は、同居している家族のためだけではなく、別居している家族に対しても配慮が必要です。特に高齢になる両親への時間的な配慮は、今後訪れるである介護の予兆を感じるために必要な時間です。

要介護者の気持ちを知る 

介護が始まると、介護を受ける家族(要介護者)は必ず「大丈夫」と言うようになります。介護する家族(介護者)に対して心配をかけないようにという配慮もありますが、本人が認めたくないという気持ちもあります。介護が始まった時に時間を取って要介護状態にあることを話し合う時間が必要です。

介護保険は使えるが 

介護は生活の補助だけではありませんが、生活の補助は介護保険で補うことが可能です。ただし両親が2人だけで住んでいる場合、要介護者の生活補助は介護保険で賄われますが、介護を行う配偶者の生活補助は行われません。 老々介護の問題点です。

老々介護の家事は誰が 

日常の家事を行っている奥さんが要介護になると、家事のできないご主人は生活に不便を感じるようになることを頭に入れておく必要があります。老々介護はこれからも増え続けると思われ、別居している両親の生活状況を把握し、生活を補助する時間も増えてきます。

介護休暇制度の利用 

大きな会社や組織で働いている人は、急に介護で時間を要した時や、短期・長期で介護を行うための制度があると思います。有給休暇を取りづらい日本の風潮では介護休暇制度なども利用しずらいと考えずに是非利用するべきです。

小規模企業や個人で働いている 

小規模の企業や個人で働いている人は、仕事と介護を同時に行う覚悟が必要です。50代60代でも現役でバリバリ働くイメージを持っていると、本格的な両親の介護は時間的な負担が大きくなります。介護が始まる前に、余裕を持った働き方、介護制度の知識の習熟、両親とのコミュニケーションをとっておくことを強くお勧めします。

新おとな学


定年退職後の時間の使い方を考えてみる


定年退職というイベント 

定年退職後の生活時間を持て余すという話を聞きます。このことも時間の使い方を考え直す必要があるイベントです。実質的な定年退職が65歳になりました。これを機にして仕事に行くために家を出てから、仕事が終わって家に帰って来るまでのパターンが変わります。

週末休みというパターン 

仕事がある日のパターンと仕事がない休みの日の生活パターンの2通りはすでに持っていると思います。定年退職後に仕事をしていても、仕事のない日の方が多くなりますので、必ずしも週末休みというパターンではなくなります。シフト勤務を行っているようなパターンになります。

家庭内での不協和音 

また、休日が多くなると休日の過ごし方がワンパターンでは時間を持て余すことになります。同居している家族もこのパターンに慣れていませんので、家庭内での不協和音が生じてしまいます。主人在宅ストレス症候群などと言われますが、主人だけの問題ではないのです。

家族も一緒に考える 

50代60代になると定年退職後の仕事について考えることがあると思います。この時に同時に定年退職後の生活についても考える必要があるのです。主たる稼ぎ頭が定年退職によって仕事と生活のパターンが変わるのですから、家族も一緒に考えなければなりません。

現役時代から時間の工夫を 

稼ぎ頭となっているご主人だけが考えることではないのです。定年前から余裕のある時間の使い方を行うようすることが大切です。現役時代から仕事の時間を短くする工夫、家に帰ってから寛ぐ時間(お酒を飲んだりテレビを見ている時間)を少なくし、余裕を作ることです。

話し合う時間を作る 

余裕を作ることができたら、定年退職後の仕事と生活に向けて考える、話し合う時間を増やしていきましょう。「時間のリデザイン」とはいきなり変えることではなく、少しずつ取り組んでいくことから始まるのです。




◆◆◆◆◆

「人は二度死ぬ」という逸話を聞いた時には感慨深くなりました。

今一度、考え直してみると「人は三度生きる」ということにならないでしょうか。成長期・上り坂期・下り坂期の3通りです。人生後半戦は下り坂です。下り坂には下り坂に適した時間の使い方が必要なのです。

次回は「時間のリデザイン」に必要な「力と技(術)」について考えてみたいと思います。





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