人生後半戦の新おとな学入門

50代60代のためのニューシニア講座 働き方・暮らし方・生き方・学び方・遊び方


平成30年(2018年)1月時点での日本の人口は約1億2659万人、65歳以上人口は約3523万人となっています。高齢化率27.8%という数字は、超高齢社会の次のレベルである「超々高齢社会」に近づきつつあります。


日本がこれから迎える超々高齢化社会とは


超々高齢化社会

WHO(世界保健機構)では高齢化社会についての定義があります。全人口に占める65歳以上の高齢者の割合によって次のようになります。
    7%以上   高齢化社会
    14%以上 高齢社会
    21%以上 超高齢社会 
    ---------------------------------------
    28%以上 超々高齢社会WHOでは定義されていません)
WHOでは28%以上の定義はありませんが、日本が未曽有の高齢化が進んでいることには違いありません。 
    参考:最新の人口推計(総務省統計局)

今後の高齢化率

今後の高齢化率はますます進み、2020年には29%、2030年には32%、2040年には36%と予測されています。さらに2050年には日本の人口は節目である1億人を割り、高齢化率も39%になると予測されています。10人に4人は65歳以上となるのです。

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高齢化率が高まると

高齢化率が高まると問題視されるのが労働力の不足による経済への影響です。労働力の不足とは、より細かく考えると実際に働いて収入のある人が不足するということです。労働力調査では実際に働いている人を「従業者」とし、年齢ではなく働いているか否かで分類しています。
    参考:労働力調査における用語(平成29年版情報通信白書)

AI・IoT・ロボット

人口減少によって労働力の不足は生じますが、AI・IoT・ロボットなどの活用によって一人当たりの生産性を上げることで経済成長は持続するという見解もあります。一方では、AI・IoT・ロボットなどの開発・管理には日本は後れを取っているとも言われていますし、開発・管理に従事する人は高齢者とはならないでしょう。




50代60代が向き合うべき超々高齢社会の課題とは


労働力不足という課題

あえて「問題」とせずに「課題」としたのは、「問題には答えがあるが、課題には答えがなく努力と過程がある」という意図です。
労働力不足を補うには、従業者でない人達を働くような環境を整えて従業者を増やすか、国外からの従業者を増やす方法があります。

高齢者の労働力

65歳以上の高齢者が従業者として働くことも労働力不足の解決の一助となるでしょう。ただ高齢者が働くことができる既存の業種・職種は限られています。

AI・IoT・ロボットなどの開発・管理に携わることはなく、アナログの肉体系・単純労働系が多くなります。「安い・止めない・休まない」という「3Y職場」です。
    参考:『定年前後の「やってはいけない」』 郡山史郎著(青春出版社)

差し迫った社会的課題

差し迫った社会的な課題として考えなければならないのが高齢者の「介護」です。50代60代より上の世代、70代以降の要介護者が増えているというのが現状です。

誰が介護するかというと、同じ70代以上が老々介護を行うか、80代以上ではその子供世代である50代60代が介護を行うか、他の世代が介護するかのいずれかになります。国外から介護者を招いたりロボットなどで本格的に介護体制を整えるのはまだ先の話でしょう。

自分たちの介護という課題

50代60代は、現在では介護者という立場になることが多いと思いますが、10年後20年後は要介護者という立場になります。その時は誰に介護をして欲しいと考えているでしょうか。

自分たちの子供の世代は少子化の世代です。介護者となるには労働力不足に輪をかけてしまうことになります。50代60代は自分の介護は自分でということになりかねません。

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50代60代は自分で自分の介護を行うためには


労働力不足と介護者不足

「2025年問題」という団塊の世代が75歳を迎え後期高齢者となり、医療と介護の労働力不足、医療保険と介護保険の負担増が起きます。この時に団塊ジュニアの世代は50代に入っているので、同じように介護という問題に直面することになります。

この時までにAI・IoT・ロボットなどが介護の現場の主役になっているとは思えません。かといって介護現場に労働力を向けるのは社会全体から見ると現在以上に労働力不足に拍車をかけることになります。

2025

要介護者は減らない

人生100年時代と謳われ、高齢化率が上昇すると共に要介護者は増える一方です。団塊ジュニアの世代が要介護となる頃にはさらに下の世代では少子化もあり、介護者として従事する人はより少なくなるでしょう。

それまでにはAI・IoT・ロボットなどが介護の現場に投入されているでしょうし、介護施設自体が現在とは別の形態になっているかもしれません。

50代60代はどう生きていくべきか

自分達の両親の世代の介護が終わったら、自分達の介護について考えることになります。自分達の介護は家族に頼るのではなく、自分で介護を行えるようにすることです。そのためには介護の現場を知ることです。

介護の現場では介護の方法が日に日に変わってきています。現状では高額負担を行なえばより良い介護を受けられることには変わりはありません。ただ介護方法、介護技術、介護用品、心理的ケアの底上げが日進月歩で行われています。

自分で自分の介護を行うとは

AI・IoT・ロボットなどが本格的に現場に投入されるまでは、人的な介護が主流です。何を行うにも直接コミュニケーションが必要になります。これからは介護の現場でもデジタル機器を介してのコミュニケーションが行われるでしょう。また日々の介護計画、管理、結果報告もペーパーではなくネットワーク上で行われるようになるでしょう。 

例えば車椅子や介護ベッドにAI・IoT・ロボットなどが組み込まれたり、目視での要介護者の観察をセンサーで行える研究開発はすでに行われています。これからの社会は40代に任せ、50代60代は昭和の後始末をすると考えてはどうでしょうか。介護技術・設備を使って自分で自分を介護することもできるようにするためには、何をおいてもデジタル製品・ネットワーク環境に慣れることが必要になります。




人口動態を意識しながら社会環境に対応する


介護の例をとりあげて50代60代の生き方を考えてみましたが、介護は生き方の一部にしかすぎません。どのような生き方をしようとも、日本の社会で生きていくためには人口動態を常に意識し、自分がどの位置にいるのかを確認する必要があります。

年齢人口が多い団塊の世代と団塊ジュニアの世代の声が社会に反映しやすいことは、人口動態を見ればわかります。このままでは団塊ジュニアの下の世代の声はますます社会に反映しずらくなるでしょう。どこかで介護が社会不安になることを食い止め転換しなければなりません。 

これからの社会は40代に任せ、50代60代は昭和の後始末をする世代となるのではないかと思います。その1つが「介護」という課題です。間違いなく「自分もいつかは介護」ということになります。これは「問題」ではなく「課題」です。働き方・暮らし方・生き方、これらについてこれからの世代に課題を残さないようにしていかなければなりません。


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